社会

2020年東京五輪は“人命”を軽く扱っていないか。組織委員会とメディアが犯した罪/本間龍インタビュー

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――それは五輪スポンサーに新聞社が多く入っているからですか? 東京2020オリンピックオフィシャルパートナーには、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞が入り、東京2020オリンピックオフィシャルサポーターには、産経新聞、北海道新聞が名を連ねています。

本間 もともとオリンピックのスポンサーは原則的に「一業種一社」だったのが、電通が金儲けのためにその原則を崩してしまった。今回でいえば、最初は読売が一社で入る予定だったのが、他の新聞社が取材で不利になるというので、どんどん他の会社も入ってきたそうです。スポンサーであろうとなかろうと、取材現場での扱いは平等ということにすればよかったのに、結局は「あそこがやるならウチも」という感じになってしまった。

――結局、それでオリンピックに関する批判ができなくなってしまいました。

本間 そもそも、メディアがスポンサーになるということ自体がおかしい。特に、問題点を検証できる新聞のようなメディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては、議論もできなくなってしまう。これは大きな問題だったと思います。暑さ対策の問題なんて、新聞の一面や二面で扱われていいトピックだし、キャンペーンを張って糾弾すべき問題ですよ。

――その通りだと思います。

本間 社会部の記者のなかには書いている人もいるんですよ。でも、記事が上にあがっていくにつれ、上層部がスポーツ部への配慮や、「ウチもスポンサーやってるし」となって、ボツにする。自分たちで制御してしまうわけです。そういう話は実際に新聞社の人から聞きます。結局、アリバイ的に小さな扱いの記事が出る程度にしかならない。

東京オリンピックは21世紀によみがえったインパール作戦

――暑さ対策の不備以外にも、さまざまな問題があります。たとえば、もともと「コンパクト五輪」という触れ込みで始まったのにも関わらず、予算が雪だるま式に増え、招致当時に掲げられていたものとは別物になってしまいました。

本間 もともと東京オリンピックは7000億円で開催できると言われていて、スポンサーからの収入は900億円あれば足りるとしていた。それが、先日組織委員会が発表したところによると、国内スポンサーだけで3200億円の収入があると。ボランティアに日当も出さないで、この金はどこに消えているのか。お金に関してブラックボックスの部分は多いです。たとえば、テロ対策として、各メーカーが新しい商品のプロトタイプを税金でつくっている。これもブラックボックス。チケットがどれくらい売れて、その収入がどれだけあるのかもブラックボックス。メディアが検証しないので、こういった部分はブラックボックスのままですが、どうしてブラックボックスのままでいいことになってしまっているのでしょうか。

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