社会

2020年東京五輪は“人命”を軽く扱っていないか。組織委員会とメディアが犯した罪/本間龍インタビュー

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――トップダウンですべてが決まっていくことで現場の異論は一顧だにされない強権的な姿勢、大企業ファーストな社会のあり方、メディアの報じ方の問題など、東京オリンピックには、いまの日本社会が抱えている問題がすべて凝縮されている気がします。

本間 私はよく「21世紀のインパール作戦」「#Tokyoインパール2020」という言葉を使っていますが、どう考えても無理な計画が、軌道修正もないまま強行されていく東京オリンピックの状況は、まさに第二次世界大戦中におけるインパール作戦です。熱中症の対策はないから、取り敢えず「大和魂で突っ込め」みたいな。
普通は、検証してもう無理だとわかったら、その時点で中止にしますよね。でも、中止になったら、電通やスポンサー企業など、ここまで金をかけてきた大企業の人たちが損をしてしまう。だから、中止にはならない。
熱中症などで被害をこうむるのは、それらの会社の社員でも、その家族でもない。なけなしの金でチケットを買ってくれたお客さんや、善意でボランティアに参加したスタッフたちが犠牲になる。

――本当にひどい話です。

本間 独裁者によって統治されている国、戦争をやっている国、そういった国や地域において、「人命が軽んじられる」という状況が発生するのはよくあることですよね。しかし、日本のように曲がりなりにも民主主義の社会で、しかも高度にテクノロジーが発達しているのにも関わらず、あらゆる検証を無視して、精神論で作戦が強行突破され、結果的に人命が軽んじられているというのは、そうそうないことなのではないでしょうか。国家的な規模でそのようなことが行われたことは、日本においては少なくとも、戦後にはない。これは歴史にかなり恥ずかしい名を残すことなのではないかと思っています。

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 東京オリンピックが近づくにつれ、さらに複数の問題が噴出してくるだろう。しかし、このインタビューで語られている通り、メディアでそれが追及されることはおそらくない。ひょっとすると、これから先は、「単発」の問題検証企画すらできなくなってしまうかもしれない。

 そこでWEZZYでは、本間龍氏による「オリンピック問題追及」の連載を開始する。大会前、大会中、そして、大会後まで、諸問題の検証・追及を行いたい。

(取材、構成、撮影:編集部)

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