吉本興業・岡本社長のパワハラ“ビンタ”を元マネージャー激白 「ファミリー」を酷使する体質は変えられるのか

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吉本興業は2度も労働基準監督署の是正勧告を受けている

 吉本興業はこれまでに2度にわたり、労働基準監督署の是正勧告を受けている。最初の勧告は2012年3月。同社と子会社は労使協定で定められた月50時間以上の残業をさせたなどとして新宿労基署から勧告を受けた。2回目は今からおよそ1年前の、2018年8月および9月。業規則の不備や休日勤務手当の不十分な支払いなどがあったとして再勧告を受けている。

 A氏も「FRIDAY」において、過酷な労働環境について語っていた。吉本興業のマネージャーは多忙であり、月の労働時間は300時間を超えるという。しかし、会社として労働基準法を守らないわけにはいかないということから、A氏は上長から勤務記録の書き直しを指示されていた。そんな環境が原因か、30代前後で同期の半分以上が辞めてしまったという。

吉本興業は「家族」を酷使して「父」「兄たち」が私腹を肥やす

 上長から理不尽な叱責を受け、同僚同士で監視しあい、年に10日の休みもなく勤務記録を書き直して働き続ける。そのような環境下で“笑いを生む”どころか、適切なタレントマネジメントなど出来るだろうか。

 吉本興業に所属する芸人たちは、そうしたマネージャー側の事情を知ってか知らずか、不満を漏らす。「週刊女性」8月13日号(主婦と生活社)の取材に匿名で応じた中堅芸人によると、マネージャー1人が100人もの芸人を担当しなければならないほど人手不足であり、ギャラの振り込みがされなかったこともあるという。マネージャーにその旨を伝えると「経理に確認します」と言ったきりで、結局2年後にギャラが振り込まれたこともあったそうだ。また、今年3月に吉本興業を解雇された楽しんごも、マネージャーにメールをしてもレスがなかったりしたことがあったと述べている。

 吉本内部で上層部からのパワハラが横行し、マネージャーは人手不足や長時間労働を余儀なくされるなど過酷な環境に置かれているという話が事実であれば、ギャラの振り込み忘れやレスポンスの遅さなども、マネージャー個人の“能力不足”の問題などと矮小化できない。会社が、“ファミリー”である社員を酷使する労働環境を改めない限り、“芸人ファースト”は夢のまた夢だ。

 そもそも吉本興業という組織について、岡本社長も大崎洋会長も「家族」「ファミリー」などと表現しているが、家族のように接するということは、雑な扱いをしても許されるということではまったくない。彼らは家庭を、暴力や暴言も愛のムチだとして許されるような、無法地帯だと勘違いしてはいないか。あるいは家族にひもじい思いをさせて「父」や「兄たち」が私腹を肥やしているような組織が、彼らの理想とする家族像なのだろうか。

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