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スマホ育児ダメ説の源流、『テレビに子守をさせないで』が残した呪い

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「GettyImages」より

 子どもの不調は何でもかんでも母親のせい! だから母親「だけ」が滅私奉公の精神をもって、育児に臨むべし。そんな思想が色濃く表れている昭和の珍説「母源病」「サイレントベビー」を過去記事でご紹介してきましたが、今回も「珍説」として鑑賞すべく、懐かしのブツをご紹介していきましょう。

母親がひたすら手をかけないと赤ちゃんがうつに? 「サイレント・ベビー」説の源流を探る

 カラオケボックスへ駆け込み、『時代』(中島みゆき)を熱唱したくなりました。「そんな時代もあったのね~!」以外の、言葉が出てこないので。赤ちゃんがうつ状…

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ウェジー 2019.07.02

 時代が移りゆくなかで便利な育児アイテムが増え、母親たちが楽をするようになった。けしからん! そんな圧の源流を昭和へさかのぼってみると、「自閉症はテレビが原因」なるトンデモが現れます。最近では「親学」が、「発達障害は現代の親たちの子育てが悪いからだ」という自説を唱えて多方面から叩かれましたが、それと同ジャンルのものでしょう(もちろん、科学的根拠ナシ)。

“新しい”障害とテレビの関係

 そんなトンデモを唱えていたのは、昭和51年(1976年)に発行された『テレビに子守をさせないでーことばのおそい子を考える 』(水曜社)。著者は岩佐京子氏。同書に記載されているプロフィールでは、早稲田大学の文学部心理学科を卒業後、井之頭病院と代々木病院の臨床心理員を経て、日本・精神技術研究員となり、東京都の保健所で三歳児検診の心理判定に従事しているとありました。要はカウンセラー、ということですね。同書はこんな主張が軸になっています。

「障がいの主たる原因は、耳から入る音声の過剰刺激」
「自閉症の特徴である言葉の遅れは、テレビを見せまくる育児に原因がある」

 岩佐氏がこんな仮説を世に広めるようになったきっかけは、当時携わっていた三歳児検診で、自閉症と思われる子どもに出会ったこと。昭和36年に卒業した大学では自閉症について学ぶ機会はなく、それまでの職務でも大人の精神障害しか扱ってこなかったので、子どもの症状を見るのは初めてだったと語られています。

ここでちょっと中断して、注意事項のお知らせです。同書はぶっちゃけ「閲覧注意本」です。理由は障がい者およびその周囲への配慮に欠けた表現が多いから。よって引用部分にそれらが現れる可能性がありますので、ご自身の判断のうえ続きをご覧ください。

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