スマホ育児ダメ説の源流、『テレビに子守をさせないで』が残した呪い

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 発達障害について大分いろいろなことがわかってきた現在と比べ、当時は自閉症へのとりくみが手探りだった時代でしょう。ですがその分を横に置いても……ですよ? 何より「子どもが自閉症だったら不幸!」という論調に反吐が出る。Wiki先生にも「日本でも、七田眞や岩佐京子らによって「テレビの見せすぎが自閉症の原因」などの環境原因説が流行し、同様に自閉症児を持つ母親を孤立させる弊害を生んだ」とか書かれちゃってますよー。

 さらに困ったポイントは「古いトンデモ」と、昔の話にできないところです。いまだにこのお説を紹介するクリニックのHPなんかもありますので。幼児教育のパイオニア的存在である七田真氏の著書『あかちゃんを賢く育てる秘訣』(日本経済通信社)の第9版(平成元年)でも、「テレビは頭の配線をすっかり狂わせて、言葉のない、自閉症児を生み出してしまいます」といい、岩佐氏の同書を推薦している始末。古い言説でも、こちらは現在も販売されている本ですし、「あの有名な先生が言うのだから」と、信じてしまう親たちがいそうで怖い怖い。

スマホ育児否定へと継承

 ちなみに岩佐氏は後年自説を一部撤回していて、1989年(平成元年)に出した本『自閉症の謎に挑む―活性酸素によるニューロンの破壊』では自閉症は生まれつきではなく、テレビなどの機械音で健康を害し活性酸素が発生すると説明。そこへ栄養不良なども相まって脳神経細胞(ニューロン)が破壊される! なる新たなトンデモへ舵を切っています。より疑似科学っぽくなっただけで、テレビを悪者にしたいお気持ちにゆるぎのない、ぶれないお方だな。

長島一茂がスマホ育児に「そういう親は最悪だよ」、子育てを日本の闇につなげる乱暴さ

 外出中、電車内や飲食店で子どもが泣いたり騒いだりした際、スマホを見せて急場しのぎをすることがある。子どもから「写真見せて~」と言ってくることも…

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スマホ育児ダメ説の源流、『テレビに子守をさせないで』が残した呪いの画像2 ウェジー 2018.08.01

 現代では、こういった「テレビの見せすぎ」に継ぎ、「スマホに育児をさせないで」なる、日本小児科医会の発信が生まれています。

 視力の低下や「育ちをゆがめる」といった問題を引き合いに出しながら、親はメディア機器に接する時間があったら、子どもに目を向けましょうね! というのが主な主張。でもそれって「メディア機器」の問題なんでしょうか? スマホやテレビといったメディア機器がなくても、子どもの相手をしない人は、しない。

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