空前のミュージカルブームの今こそ観たい、日本をきっかけに世界でヒットした名作「エリザベート」

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 エリザベートは従兄弟であるハプスブルク帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフに見初められ結婚。結婚式の夜や、若き皇帝にかわり実質的に宮廷を一手に握っている皇太后ゾフィーからの厳しい教育、生まれた子どたちを次々と姑に取り上げられても味方になってくれない夫など、絶望を感じるたびにトートはエリザベートの前に現れ、死へと誘います。

 一方で美貌に武器にすれば要望が通ることに気づき、自身と同じく自由を尊ぶ市民の気質を愛してハンガリーを独立へと導くなど、エリザベートは自我に目覚めていきますが、“闘い”に勝利すればするほど孤独感を強め、皇后としての義務を投げ出して放浪の旅へ。母親に顧みられない皇太子ルドルフ(京本大我三浦涼介)は、ヨーロッパを覆いハプスブルク王朝を揺さぶる共和主義と接近していましたが、そこにはトートの影がありました。

ヅカファン&BLファンを虜に!

 「エリザベート」が誕生したのは、オーストリアのウィーン。ブロードウェイとは異なった世界観を求め、ともにグラミー賞を受賞しているドイツ人作詞家・脚本家のミヒャエル・クンツェの作詞、ハンガリー人の作曲家シルヴェルター・リーヴァイの作曲で制作され、前衛的な作風を得意とするオペラ作家ハリー・クプファーによる演出で、1992年に初演されました。

 ウィーン劇場協会は当時、同作上演権の海外への販売を模索しており、それを初めて得たのが日本の宝塚歌劇団でした。ブロードウェイなどのようにライセンスの条件がガチガチに定まっているというわけでない、良い意味で “素人”のウィーンは、男役が必ず主役を演じるという宝塚歌劇団の特性に合わせた、主人公のエリザベートからトートへの変更をあっさり承諾。宝塚はウィーンオリジナル版にはなかったトートのラブソング「愛と死の輪舞(ロンド)」を書き下ろしたうえで、当時の雪組トップスターである一路真輝の退団公演として1996年に上演されました。

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空前のミュージカルブームの今こそ観たい、日本をきっかけに世界でヒットした名作「エリザベート」の画像2 ウェジー 2018.09.25

 宝塚からの卒業というはなむけが死神役で、初日前にはタカラジェンヌからの不安の声もありましたが、王朝を舞台にした歴史ロマンは、宝塚の得意とするところ。耽美でミステリアスなラブストーリーとして圧倒的な支持を得(そして宝塚以外でも、ルドルフを死に誘うトートとのキスシーンでBLファンもヅカを好きになるというケースが多発し)ました。

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