元よしもとの謝罪マンが総括する吉本騒動 カラテカ入江と吉本興業の「業務提携」に残る疑問

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「謝罪」は「ゴール」ではない

 私は「謝罪」のことを「ゴール」とは呼ばず、「謝罪」は「ゴール」に向かうための「道具」であると呼んでいる。

 吉本騒動でいうと、ゴールは二度と芸人が反社と付き合わないようにすること。芸人を管理している会社は、二度と同じことが起こらないようにコンプライアンス教育を徹底する。またその方法の見直しなどを具体的にすることである。

 そのゴールを見出すために重要なことは、理念を共有することだ。共有する理念のことを私は「上位概念」の理解と呼んでいる。この「上位概念」とは、より抽象的、総称的なものといい、一方「下位概念」ではそれをより特定し、具体的に表現するものであるといえる。

 たとえば、「明日はどんな日になればいいか?」の質問に対して、「上位概念」で捉えると、私の場合「事件や事故も何も起こらない穏やかな日であってほしい」と言い、「下位概念」でいうと、「大好きな、うまい親子丼を食べたい!」となるのである。下位に落ちるほど具体的で属人的になる。人それぞれ違ってきて当たり前。

 吉本興業は「お笑い総合笑社」だ。理念の共有を再確認すればいい。そして、それは「多くの人を笑わせる」「多くの人を楽しませる」だったはずだ。今一度、その理念を企業のトップからすべての芸人、すべての社員が確認せねばならない時が来たと思う。

「吉本騒動」は最優先されるニュースだったのか?

 それにしてもこの2カ月、吉本騒動はどれだけのテレビの放送時間と新聞雑誌の紙面を賑わせたことだろうか? 私が広報マンだった頃なら、毎日、東京と大阪の一般紙からスポーツ新聞や夕刊紙、すべてを読んで関連記事をスクラップにしていたのでよくわかるが、ものすごい切り抜きの量でスクラップブックが何冊も溜まっていったことだろうと思う。

 6月初旬、宮迫らが反社と呼ばれる人たちのパーティに出席したとのフライデー砲からこの間、吉本芸人の山里亮太と蒼井優の結婚、G20サミット、「仁徳陵」世界遺産認定。京都アニメーション放火殺人事件なども起こったが、吉本騒動にほとんど消された。

 参院選翌日、気になる「自公改選過半数、れいわ・N国が議席獲得」に関してのニュースを見てみようとチャンネルを探すと、朝の8時台の民放、トップ・ニュースは4局中のうち3局が宮迫会見から始まった。民放局は視聴率獲得が第一のミッションといえばそうかもしれないが、内容の重要さからいえば果たして「吉本騒動」が放送の優先順位一番だったのだろうか。「反社の活動撲滅」を謳う時、芸能人のスキャンダルを放り込んでくるとインパクトがあるのはわかるが、ニュースの取り上げ方には疑問が残った。本当に残念なことだ。

 ニュースはいつの間にか、吉本が入江をクビにしたところから始まり、宮迫を含め11人を処分。その後、芸人の単独記者会見。続いて社長のグダグダ会見。契約書がないのに契約解除とは? ベテラン芸人が経営者と会談。退社予告する芸人と、それに追随する芸人問題。芸人へのギャラの配分問題。口頭で伝えていたという吉本流契約関係。そんなことは口頭でも聞いたことがないと生放送で言う芸人。

 「ギャラが安いから闇営業をするのだから、固定給にすればいい」などと部外者まで参戦しネタは広がり、終わりが見えなくなった。これはもう笑えない。喜劇ではなく「吉本新悲劇」だ。話を大事なところに戻してほしい。

 しばらく同じ映像ばかり見せられて視聴者が飽きてきたのを察したのか、あるテレビ番組ではあれこれと編集した中で岡本社長が涙ぐんでいるところに、「50%の減俸!」というテロップを入れていた。思わず、「アレっ、社長は50%減俸になったことで涙を流していたのだったか!?」と思ったほどだ。すごい編集だ。

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