ZARD坂井泉水が生前に書き残した「大量のメモ」一冊の本に、賛否と懸念

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 そしてもうひとつ、気になることがある。この本の発売をきっかけにして、坂井の死に関して<自殺か 事故か>という論争が蒸し返されてしまわないだろうか。実際、本の出版を知らせるネットニュースにはその手の書き込みがもういくつもある。

 坂井の死をめぐっては当時、いろんな噂が飛び交った。事故後、実際に病院を訪れたというファンたちは「誤って転落するようには思えない作りだった。自殺では?」「いや、自殺するのに、わずか3メートルの高さを選ぶとは思えない」などと憶測を飛ばし、ネット上にもいくつもの推測が書き込まれたが、坂井はもういない。真相は誰にもわからないのだ。

 彼女の死後もZARDの楽曲は歌い継がれている。「負けないで」は高校野球で吹奏楽部が演奏する定番ソングとなっているほか、日本テレビ系列の夏の生放送特番『24時間テレビ』で毎年、チャリティーマラソンのランナーがゴールする直前に使われる。1993年にポカリスエットのCM曲として使用され大ヒットとなった「揺れる思い」は、2019年に同じくポカリスエットのCM曲として復活した。冒頭にも書いたように、カラオケでいまもZARDを熱唱する人は多いだろう。誰も興味はないと思うが、筆者の十八番もZARDのバラードの名曲「永遠」である。1999年当時一世を風靡した連続ドラマ「失楽園」の主題歌となり60万枚以上のCDを売り上げたヒット曲だ。坂井泉水を偲ぶのに、メモ書きを一冊の本にまとめるよりも、もっとほかの方法があったような気がしてならない。

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