最低賃金”全国平均901円”、非正規労働者と外国人労働者の賃上げ事情

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 2018年12月、政府は「改正出入国管理法」を成立させ、今後、多くの外国人労働者の受け入れができるようにした。これまでの外国人労働者の受け入れは外国人技能実習制度で行われていたが、同制度では多くの失踪者が出ており、この失踪問題に関する法務省の調査結果では、外国人技能実習生に対する「低賃金」「過重労働」などの過酷な労働が明らかになり問題となった。

 そのため、今回の外国人労働者の受け入れでは、外国人に対する報酬額は日本人と同等以上を原則とした。つまり、最低賃金の引き上げは、<非正規労働者の賃金を引き上げる→非正規労働者が多い業種には外国人労働者が多い(日本人労働者と外国人労働者の報酬は同等以上が原則)→外国人労働者の賃金が上がる>という波及効果を狙ったものだ。

 それと同時に、外国人労働者が増加することで、こうした業種では日本人労働者の賃金が低下する懸念があった。外国人労働者の方が相対的に賃金が安いとすれば、外国人労働者を積極的に雇う理由になる。このため、経営者側が“外国人労働者の報酬は日本人と同等以上“のルールを守るために、外国人労働者の賃金を引き上げて賃金水準を合わせるのではなく、日本労働者の賃金を引き下げて賃金水準を合わせる可能性があるからだ。

 このため、外国人労働者が流入することによって下落する可能性がある日本人非正規労働者の賃金下落に歯止めを掛けようというのが、政府の狙いだ。最低賃金の引き上げは、日本人非正規労働者の賃金上げという、一義的な目的だけで語れるものではないのだ。

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