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ルノアールにサイゼリヤまで…外食チェーン「完全禁煙化」最前線

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2020年4月から紙巻きタバコの喫煙を禁止する「喫茶室ルノアール」(画像はWikipediaより/Kentin)

 受動喫煙対策の強化にむけて、喫煙に関するルールを厳格化する改正健康増進法が、2020年4月に全面施行される。それに先駆けて、多くの外食チェーンが完全禁煙化へと舵を切り始めている。

 串カツ専門チェーンである「串カツ田中」は、2018年6月にほとんどの店舗を全席禁煙とした。喫煙利用者も多い居酒屋としては、非常に珍しい取り組みであり、大きな話題を呼んだことを記憶している方も多いだろう。
 
 今年6月1日からは、人気ファミレスチェーン「サイゼリヤ」も全店舗の全席禁煙化を実施。さらには、「喫茶室ルノアール」を運営する銀座ルノアールも、2020年4月から紙巻きタバコの喫煙を禁止すると発表している。これまで喫煙者から愛されてきた喫茶チェーンだっただけに、その衝撃は相当なものだった。

 タバコを規制・禁止する方向へと傾く時代の流れは、加速しているように見える。外食チェーンに広まる禁煙化の波とその実態について、フードアナリスト協会所属のフードアナリスト・重盛高雄氏に聞いた。

重盛 高雄(しげもり・たかお)/フードアナリスト
ファストフード、外食産業に精通したフードアナリスト。ニュース番組、雑誌などに多数出演。2017年には「The Economist」誌(英国)から、日本のファストフード業界についてのインタビューを受けるなど、活躍の場を世界に広げている。
フードアナリスト・プロモーション株式会社

 

禁煙化が飲食店に与えるメリットは大きい

 数々の外食チェーンが禁煙化に踏み切っているが、飲食店としては禁煙によってどんなメリットがあるのだろうか。

「タバコを吸わなければ空気が汚れないので、客にとっても従業員にとっても、店内環境がよくなるということは、もちろんあります。そのうえで強調したいのは、掃除など清潔環境維持の手間が大幅に省けるというメリットもあることです。喫煙者の多い店舗だと、例えばカーテンにたばこのニオイがついてしまったり、ソファーが焦がされてしまったり、掃除が大変な状態になってしまうことも多い。一方で、禁煙の店舗は、短時間できれいにすることができます。清掃にかかるコストは、喫煙か禁煙かで大きく変わるものなんです。

 また、飲食店へ子どもを連れていくことを考えた場合に、タバコを吸える環境だと好ましくないですよね。親としては、子どもにきれいな空気のなかで美味しいご飯を食べてもらえるというメリットは大きいでしょう」(重盛氏)

 こうしたメリットの大きさからか、意外な外食チェーンも禁煙化に乗り出しているようだ。

「大手コーヒーチェーンの『ドトール』が、禁煙店舗にトライアルしていることは驚きです。これまで、ドトールは駅近などの好立地でタバコが吸えるということが強みでした。ところが、その戦略を少し変えてきているのかな、と感じます。禁煙店舗では、従来の店舗よりも女性客が多いという印象を受けます。今後の禁煙化については、企業として女性客の増加をどう評価するのかによって、変わってくるのではないかと思います。

 また、同じコーヒーチェーンの『サンマルク』も、タバコを吸える席、吸えない席と分煙化することによって、非喫煙者の取り込みを図っています。ただし、積極的な一手ではなく、売上が思うように上がらないなかで時代の流れを汲み、苦肉の策として講じているという見方もできるでしょう」(重盛氏)

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