消費者庁は、直近1年間でバーベキューをした人(男女20代~60代)を対象に、食の安全に関する意識調査を実施した。
バーベキュー真っ盛りの初夏~秋シーズンは、細菌性食中毒が猛威を振るう時期でもある。調理をする場所や段取り、器具の使い方や食材の洗い方、焼き方など、点検項目と注意ポイントは多岐にわたる。
しかし調査結果を見る限り、食の安全に対する意識や食中毒対策は必ずしも十分とは言えなさそうだ。生肉の焼き方、調理方法、トングの使い方はそれで大丈夫?
「体調不良を訴える人9%」「洗い場のないところでバーベキュー25%」
『バーベキューにおける食品安全に関する消費者行動のインターネット調査』によると、9.1%の人がバーベキュー後に体調不良(二日酔い、食べ過ぎなどは除く)を訴えたとのこと(2,000人中181人)。軽度の症状で済んだ人の割合が最も高かったものの、「症状が重く病院に行った」人もいて、回答者数181人のうち19人に上った。
食器や食材の洗い方が不十分だったり、調理方法に問題があったりすれば、食あたりや食中毒のリスクは高まる。調理や食事で必要とされることについて、できているかできていないかの回答を求めたところ、約3割の人が総合的に「できていない」ことが分かった。以下は、調理の際に心がけるべきポイントと、それに対する回答割合である(「できている」「できていない」は、「どちらかといえばできている(できていない)」を含む)。
・調理前に石けんやハンドソープで手をよく洗う
⇒できていない29.8%:できている70.2%
・包丁やまな板などの調理器具を洗剤でよく洗う
⇒できていない22.3%:できている77.9%
・野菜などの食材を流氷でよく洗う
⇒できていない18.3%:できている81.7%
・包丁やまな板を肉・魚・野菜と食材別に使い分ける。また切る順番も変える
⇒できていない30.5%:70.6%
・調理中も適宜手を洗う
⇒できていない26.6%:できている73.5%
・肉や魚がしっかり焼けているかの確認
⇒できていない17.5%:できている82.6%
・トングや箸は焼くときと食べるときで使い分ける
⇒できていない22.3%:できている77.8%
・十分に加熱されるよう、焼く位置や火加減を調整
⇒できていない15.6%:できている84.4%
食事中の火加減や焼き方には注意が向きやすいものの、調理段階での衛生管理に対する意識は薄れやすい、と言えそうだ。
1 2