会議の議事録が「当日配布」であるべき理由

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「GettyImages」より

会社の議事録配布、遅すぎませんか?

 ビジネスパーソンにとって、避けては通れない「会議」。しかしながら、「会議」に関する悩みごとは多い。

・  (会議時間が)長い
・  (会議の中身が)薄い
・  (会議で)何も決まらない
・  (会議で)何も発言がない

 このような会議4大悩みでぶち当たっている諸兄は多いであろう。上に掲げた4大悩みを打ち消す理想の会議は「短く濃い会議」である。

 そこで、「会議前」「会議中」「会議後」と分けて、そのノウハウを解説していく。今回は、前回の「会議中」に続き、「会議後」に焦点を当てていこう。

 会議が終了した後には、お決まりのひと仕事が必ず残っている。「議事録」作成だ。さて、その「議事録」。いつ配布すべきだろうか?

 筆者が研修受講者に聞いてみると、概ね以下の反応が返ってくる。

・  翌週配布:約5割
・  翌日配布:約4割
・  当日配布:約1割

 翌週配布が半分? そう、皆さん、配布するタイミングがかなり遅い。

 だが、本記事をご覧の読者は、もっとも早い「当日配布」を目指していただきたい。それには、明確な理由があるからだ。 

会議の議事録が「当日配布」であるべき理由の画像2

(画:和田ラヂヲ/横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より)

目指すのは「長い議事録」より「短い議事録」!

 議事録が「当日配布」である理由、それは、我々の記憶力と関係する。

 そもそも議事録は、「思い出す」ためにある。

 「いつ、誰と、何を論じ、何を決めたか?」

 その内容を思い出すために、議事録は存在する。記憶を喚起することが目的だ。

 その記憶は、会議終了後が最もフレッシュで、その後時間と共に儚くおぼろげに消えていく。だからこそ、議事録は書き手にとっても、読み手にとっても会議終了直後の「当日配布」が望ましいのだ。スピードが命なのだ。

 では、スピードが命である議事録の書き方を紹介しよう。端的に言えば、「長い議事録」より「短い議事録」を目指してほしい。

 「長い議事録」とは、文字通り数枚にわたる議事録で、会議の内容を一字一句反映させるような議事録だ。書き手も大変だが、読み手にも負担を強いる。分量が長いと、必然的に配布のタイミングも遅くなってしまう。

 そもそもの議事録の目的は、思い出すことなので、簡潔に短い議事録をなるべく早く配布していかなければならない。

 コツは1枚にまとめることだ。

会議の議事録が「当日配布」であるべき理由の画像3

(出所:横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より)

 記載要素は、概ね6要素。とりわけ大事なのは、最後のNEXT STEPだ。連続する会議で、次のタスク、担当責任、期日を決めていくだけで、次の会議の始まりがグンと楽になる。

議事録のウルトラテクニック!

 議事録配布のタイミングは、早ければ早いほどいい。会議の「翌週配布」より、「翌日配布」の方が断然いい。「翌日配布」より、「当日配布」を目指してほしい。

 もし「当日配布」をしっかり励行されているのであれば、さらなるとっておきのウルトラテクニックを紹介しよう。

 それは、会議「前」に議事録を書いてしまうのだ。

 なぜ、「会議後」に書く議事録を「会議前」に書くのか?

 それは、先に書くことで、議事録が台本となり、会議を取り回す力が身につくからだ。「どう着地させるべきか」「どこで紛糾するか」を見渡せる力が身につく。

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(画:和田ラヂヲ/横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より)

 そのコツはしっかり書かないことだ。
 2分くらいで、ぼんやり書く。

 ダマされたと思って、試してみてほしい。
 はじめのうちは、ぼんやり描いた台本通りに会議は進まないかもしれないが、徐々に台本通りに会議を進行することができる。

 その頃には、会議運営の名人になっていることだろう。

 (本記事は、横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社の一部を転用しています)

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