佐野SAの営業休止と再開、問題は「ストライキした従業員」ではなく経営者側にある

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上りの佐野サービスエリア(ドラぷら公式サイトより)

 栃木・佐野市の東北自動車道佐野サービスエリア(SA)で14日未明から、従業員がストライキを敢行し、フードコートや売店の営業が休止される事態が発生、大きく報じられた。

 ストライキの経緯はこうだ。佐野SA上り線のフードコートなどを運営する「ケイセイ・フーズ」は経営状況が非常に悪く、メインバンクである群馬銀行から新規融資凍結処分を受け、借金の滞納が3カ月以上続くなど経営破綻寸前にあった。この現状を見かねた総務部長の加藤正樹氏が岸敏夫社長に経営危機を訴え改善を求めたが解雇されてしまう。この不当な解雇が引き金となり、日頃から経営陣に不信感を抱いていた従業員の不満が爆発した。

 すると同社は16日、新たな従業員を臨時で雇い営業を開始する“スト破り”を敢行した。日本国憲法第28条の「勤労者の団体権」では、労働者の団体が使用者と労働条件について交渉する権利“団体交渉権”、労働者の団体が労働条件の実現を図るために団体行動を行う権利“団体行動権”などの権利を労働者は有している。

 ストライキをした従業員とは向き合わず、新たな従業員を雇うというのは、労働者の権利を踏みにじる行為ではないか。現在の従業員だけでなく、新たに雇われた従業員への対応も含めて、今後の動向に注目したい。

「ストライキ」という言葉を一切使わないNHKの報道

 今回のストライキ騒動で、ケイセイ・フーズの非常識な運営が白日の下に晒されたが、もう1つ問題点が明らかになった。それは、この件に関するメディアの報道のあり方だ。

 NHKのニュースサイト「NHK NEWS WEB」ではストライキが敢行された14日に、この件を紹介する「東北道 佐野サービスエリア なぜ?営業休止…戸惑いの声」というタイトルの記事を掲載した。

同記事内では、「ストライキ」という単語は一切使われておらず、営業停止の理由について「レストランなど店舗を運営している会社の事情によるもの」と記している。

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