仮想通貨はなぜ「暗号資産」へ名称変更になったのか?

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通貨の要件とは?

 「仮想通貨」は「通貨」として脆弱だとされたが、そもそも通貨とはどのような機能を持っているのか。通貨には「価値の尺度」「交換手段」「価値の貯蔵手段」の3つの機能がある。

 「価値の尺度」の面で見れば、「仮想通貨」はあまりに相場の乱高下が激しいため、通貨として使用するには適切ではないといえる。また、「交換手段」としても、その範囲はまだまだ小さく、通貨といえるほどには拡大していない。そして「価値の貯蔵の手段」としても、度重なるハッキングによりリスクが高いとされている。

 そして、通貨がこれらの機能を発揮するためには「信用」が与えられていることが重要だ。たとえば「円」という法定通貨が機能しているのは、日本という国家の信用に裏づけられているためだ。しかし「仮想通貨」は、どこの国家にも管理されない。そのため、特定の国家による信用の裏づけがない。

「暗号資産」の今後の規制

 ところで、「仮想通貨」が「暗号資産」に名称が変更されたと同時に、いくつかの規制が強化されることが検討されている。

 まず、不正流出へのリスク対応の厳格化がある。仮想通貨取引所で管理していた「暗号資産」が不正流出する事件が相次いだため、金融庁は2019年3月に暗号資産交換業者に対して、顧客の「暗号資産」を信頼性の高いコールドウォレットなどで管理することや、ホットウォレットで管理する暗号資産の弁済原資を保持することの義務づけを主張している。

(金融庁『「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」説明資料』)

 コールドウォレットはインターネットから完全に切り離されているため、バックドアなどの不正アクセスで「暗号資産」が盗まれることがない。一方、ホットウォレットはインターネットを通じて「暗号資産」の操作を行うことができるため、利便性が高い反面、不正アクセスの標的になりやすいというリスクがある。

 これらが義務づけられれば、暗号資産を交換業者に預けた顧客の保護が徹底されることになる。

 次に、暗号資産を用いた証拠金取引に金融商品取引法(金商法)上の規制(販売・勧誘規制等)を整備することが検討されている。このことにより、取引所の販売や勧誘などの規制が強化され、証拠金を用いたレバレッジの倍率の引き下げが行われる可能性がある。

 また、取引所が証拠金取引サービスを提供する場合は、金商法上の登録手続きが必要になるなど、金融庁の監視が強化されることになるだろう。(同上)

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