男女平等にしていく必要があると思うなら、みんなフェミニスト/小川たまか×西口想『私のフェミはここから』

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性暴力に声をあげて「クソフェミ」なら「クソフェミ」でいい

西口:小川さんのフェミニズムとの出会いはいつでしたか?

小川:私は学生時代、すごくボーっとして過ごしてしまっていて(笑)。根底では関心があったと思うんですが、その頃は「フェミニスト=女性に優しい男性のこと」くらいの認識だったんです。でも、30歳を過ぎて、自分の痴漢被害の話をインターネットの記事に書き始めて、「女子高生が痴漢に遭うことはおかしいと思う」と述べたら、(ネット上で)「このクソフェミが」ってバッシングを受けたんです。その時、性暴力のことを書いて「クソフェミ」って呼ばれるんなら、「クソフェミ」でいいのでは? と思って。

西口:「クソフェミ」と呼ばれて、フェミニストとしての自覚が芽生えたということですか?

小川:整理してみると、そういうことになりますね(笑)。でも、今も「クソフェミ」とまではいかなくても、Twitterで絡まれることはよくあります。男女が不平等である現状を、どうしても否定したい方っているじゃないですか。もう平等だよとか、100年前に比べれば……とか、今はむしろ女性の方が優遇されています、とか、クオータ制絶対許さんとか。私がフェミニズム関係のことをつぶやくと、そういう方がリプライでよく絡んできたりします。

西口:面と向かってではなく、SNS上の匿名のアカウントからですか?

小川:そうですね。フェミニズムのことに関しては、男性より、女性がつぶやいた方がクソリプ率が高いと思うんですよ。わたしも“怒っている人”とか、たまに言われますけど、クソリプに対して怒ってることだけを切り抜かれて、“フェミニストの女性は怒りっぽいぞ”と言われることには、納得いかないですね。クソリプで絡まれているから怒ってるのに、なぜかクソリプはなかったことにされて、怒ってるところだけ見てたしなめられる。

西口:とくにSNSではそうした場面がよくありますね。トーン・ポリシングというか、その「たしなめ」自体がクソリプやセカンドハラスメントになるという……。小川さんのフォロワーのなかにも、クソリプに怒っている方はいると思うんですけど、僕自身も含めて、どう介入していけばいいのか分からなくてモヤモヤしているところもあるように思います。

小川:(クソリプに対抗するツイートをしたら)応援の意味で、そっと「いいね!」だけ押してくれればいいなって(笑)。クソリプのほとんどは無視してますが、私がくだらないクソリプを無視したところで、今度はそのクソリプの矛先は他のフェミニストのところに向けられるんですよね。若ければ若い女性ほど、絡まれやすいと思います。

西口:クソリプを送ってくる人って、議論を重ねても納得することはほぼ0%に近いですよね。反論されたことに対してさらに怒り、絡んでくる人はもっと絡んでくる。僕は、Twitterでそういうふうに絡まれたことはあまりないんですが、クソリプ問題はなんとかしなきゃいけないと改めて感じました。

小川:桃山商事の清田隆之さんも、フェミニストの立場を取った連載をされていたと思うんですけど、男性だからクソリプは来ないって言っていました。

西口:少し前ですが、海外の女性が男性の名前でビジネスメールを送ったら、クライアントとの揉め事が減った、というウェブ記事が話題になっていましたが、それと似てますね。性別によって叩く相手を決めているということでしょうか?

小川:知り合いの女性ライターさんで、あえてTwitterのアイコンをおじさんのイラストにしている人がいました。理由を聞いたら、変な人に絡まれづらくするため、と。男性は、試しに女性の名前や女性らしいアイコンのアカウントを作って、フェミニズムっぽいことをつぶやいてみたらいいと思います。

西口:それほど男女で見えている世界がまったく違うということですよね。「#KuToo」をきっかけに男性が初めてハイヒールを履いて1日を過ごしてみて、その辛さが分かった、という話にも通じますね。やってみようかな……。

後編に続く

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