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年収1000万円と年収400万円、「保険」と「投資」の選び方で老後に大きな違い

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「Getty Images」より

 外貨建て保険の苦情が急増しているという報道や、かんぽ生命と日本郵便の不適切販売問題など、話題の多い生命保険。私のところにも、「生命保険に加入したけれど、適切なのだろうか」というご相談は多いです。

 特に多いのは、外貨建て保険についてで、「加入時より円高になり、資産が大きく目減りしているのだけれど、このまま持ち続けて良いだろうか」という相談です。為替リスクを理解していないために起こる問題です。

 外貨建て保険は、「保険」という名前がついていますが、実際は運用商品ですので、為替リスク以外にもリスクがありますし、商品性が複雑でコストも高いので、加入前にこれらを正確に把握する必要があります。詳しくは、拙著『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)をお読みください。

 今日は、保険の商品性についてではなく、保険に対する考え方についてお伝えしたいと思います。

保障と貯蓄は別に考える

 まず大切なのは、「保障」と「貯蓄(運用)」は別に考えるということです。特に円建ての保険は、現状ではとても利率が低いのでお金は貯まりません。根強い人気のあったかんぽの「学資保険」も、保障のコストがかかるために元本割れして売れなくなってしまいました。利率の低い円建ての保険に代わって、保険会社が懸命に売り始めたのが外貨建て保険です。しかし、この外貨建て保険、円建てより利率は良いものの、かなりのコスト高です。もちろんこのコストは、契約者の資産から差し引かれます。

 結論を言うと、お金を増やしたければ保険でという発想は捨てたほうが良いでしょう。保険は、「保障」を目的で入るべきです。

 しかし、「保障」の代表格、死亡保険も保険会社によって保険料はまちまち。どう考えれば良いのでしょう。

ちりも積もれば……

 年収1000万円のAさん(35歳)はブランド好きです。スーツや車、マンションにいたるまで、ブランド名を気にして選ぶ傾向があります。そんなAさんに子どもが生まれました。生命保険に入ろうと考えましたが、最近よく耳にする保険料の安いネット生保より、外資のほうがスマートな感じがします。

 そんな時、知り合いから紹介されて、外資系生命保険会社の営業マンに会いました。勧められた終身保険に加入しましたが、専用のホルダーに収められた保険証券も高額商品に相応しく、いかにも自分らしい保険のように感じました。

 万が一の時の保険金額2000万円、保険料は毎月5万8000円。年収に対する年間保険料は約7%。60歳まで保険料を支払うと、保険料総額は約1740万円。60歳時に解約すると、解約返戻金は約1600万円です。Aさんは何事もなく、子どもが成人したら解約するつもりだと言います。多少の損はするけれど、掛け捨てでないところも気に入っています。

 一方、年収400万円のBさん(35歳)は、同じく子どもができたタイミングで、なるべく安く、必要な分だけの死亡保障にしようと、自分で調べてネット生保で定期の死亡保険に入りました。万が一の時の保険金額は2000万円、保険期間は子どもが20歳になるまでの20年間です。保険料は毎月約3700円。年収に対する年間保険料は、約1%です。20年間保険料を支払うと、保険料総額は88万8000円です。解約返戻金はありません。

 さて、外資系の生命保険会社とネット生保ではなぜこれほど保険料が違うのでしょう。今回の2つのケースの場合、終身保険と定期保険という違いがありますが、同じ人が、同じ保険種類、同じ保険金額とした場合でも、保険会社によって差が生じます。

  実は、保険料は、保険金の支払いに備える純保険料と、経費になる付加保険料で構成されています。通常、純保険料は、標準生命表などに基づいて計算されるので、どの会社でもそれほど変わらない水準になります。しかし、付加保険料は保険会社によって差が生じます。ネット生保が割安なのは、多くの営業職員を抱えていないことが大きな要因です。基本的には契約がネットで完結するので、大量の紙の設計書も必要ありません。一方で、颯爽とした営業マンを抱える保険会社の保険は高いのです。

 保険料が高いから、保険証券が立派なホルダーに入っているから、良い保険というわけではありません。死亡すれば、両社とも同じように2000万円の保険金がおります。万が一、会社が倒産した場合の保証も同じように図られます。

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