社会

ジャニー喜多川氏の性的虐待、裁判所で真実と認められても闇に葬られた現実

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 一方、海外メディアでは、ジャニー氏の訃報を伝える記事で、性的虐待についてはっきり記している。たとえば、2019年9月9日付ネットニュース版「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたジャニー氏の訃報を伝える記事にはこのように書かれている。

<2002年、東京地方裁判所は、所属する若いタレントたちへのセクシャルハラスメントを報じた週刊誌が名誉棄損であるとの喜多川の主張を支持したが、その後、裁判所は判決の一部を覆した>(編集部訳、以下同)

 同じ日のネットニュース版「BBCニュース」でも同様だった。

<彼のキャリアは論争と無縁ではなかった。1999年、日本の雑誌「週刊文春」が事務所の少年たちに対して性的虐待を加えている記事を何度も掲載したのだ。喜多川はすべての告発を否定。そして、雑誌を相手どった名誉毀損の裁判を起こし勝利した。しかし、その後、裁判所は判決の一部を覆した。彼はどの告発に関しても罪に問われることはなかった>

権力を利用した悪質なセクシャルハラスメント

 ジャニー氏の性的虐待疑惑については、ニューヨーク・タイムズやBBCの報道で触れられている「週刊文春」記事の前から、ジャニーズ事務所の元所属タレントたちが暴露本を通じて告発してきた。

 元フォーリーブスの北公次による『光GENJIへ』(データハウス)、元ジャニーズの中谷良『ジャニーズの逆襲』(データハウス)、平本淳也『ジャニーズのすべて 少年愛の館』(鹿砦社)、豊川誕『ひとりぼっちの旅立ち』(鹿砦社)、そして、2005年には光GENJIの候補メンバーだった木山将吾による『Smapへ――そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社)と、何冊も暴露本が出版されている。

 だがすべては“公然の秘密”のままだった。しかし、「週刊文春」は1999年から2000年にかけ、10回以上におよぶ追及記事を掲載する。

 記事によれば、「合宿所」と呼ばれているジャニー氏の自宅や、コンサート先のホテルにジュニアのメンバーが宿泊する際、夜中になるとジャニー氏が夜這いをしかけてきて、そのまま肉体関係を強要するのだという。

 ジャニー氏はほとんど同じ手口で何人ものジュニアのメンバーに関係を迫った。「週刊文春」の追及記事では、複数の少年が同様の被害を語っている。

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