『24時間テレビ』にケンカを売り続ける『バリバラ』 その真意とは?

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 ただ、『バリバラ』は『24時間テレビ』に対してリスペクトの気持ちを表し続けている。『バリバラ』がこのような企画を放送するのは、敢えてプロレス的な対立構造をつくることで、より多くの視聴者に対して障がい者に関するトピックを考える機会を生み出そうとしているからだ。

 それは番組を見ていれば十分伝わってくることだ。たとえば、2016年の放送では、番組司会者の山本シュウ氏が一貫して「きょうは障害者がもっとも注目されるお祭り」「We are親戚」と『24時間テレビ』に対する敬意を示し続けており、また、「『24時間テレビ』からオファーがあったら出演するか?」との質問に、出演者全員が手を挙げるという一幕もあった。

 事実、NHK大阪放送局の角英夫局長は放送後に開かれた局長定例会見のなかで「ネットなどで反響があったと認識している。普段、福祉番組に関心がなかった方にも関心を持っていただけたのではないか」と述べ、企画のねらいに関しても「このテーマに関心を持っていただくための演出上の工夫」と述べている。

 『24時間テレビ』の姿勢に対して様々な意見はあるが、障がい者にスポットを当てることの意義は誰もが認めている。日本テレビの大々的な放送によって、福祉の仕事に興味をもつ人も、ボランティア団体の門戸を叩いて障がい者の支援に乗り出す人もいるかもしれない。現行の社会設計で、病気や障がいを持つ人にとって生活しづらいものになっている部分があることを周知し、バリアフリー化への理解を促進するかもしれない。

 今年7月に行われた参議院選挙では、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)患者の舩後靖彦氏と、0歳時の事故によって重度の身体障害となった木村英子氏、障がいを抱える国会議員がふたり誕生した。

 これに伴い、まずは国会のバリアフリー化に向けた動きや議論が始まった。しかし、保守層を中心にグロテスクな攻撃が噴出。「介助が必要な人間に国会議員が務まるのか?」といった意見が飛び交ったうえ、改装にかかる費用を自己負担するよう訴える声まで出た。

 障がい者に対する差別や無理解が日本社会には根強くある。れいわ新選組から生まれた2人の国会議員の存在は、早くも私たちが抱える課題を炙り出している。

 『24時間テレビ』や『バリバラ』のような番組の意義は、多様性を尊重した社会をつくっていこうとするこれからの動きのなかで、ますます大きくなってくるだろう。両番組が良い相乗効果で視聴者の関心を呼ぶことを切に願う。

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