
「GettyImages」より
おかしな思想にハマった家族の悩みを語ってもらう「身内がトンデモになりまして」シリーズ。その姉妹編である「わたしがトンデモだったころ」シリーズ、第2弾をお届けしていきましょう。今回、トンデモ沼にハマった体験を語ってくれたのは、30代女性のSさんです。
高齢出産&ミルク育児の母親が「アンチワクチン」を推すママサークルにのめり込んだ理由
おかしな思想にハマった家族の悩みを語ってもらう「身内がトンデモになりまして」シリーズ。その姉妹編として、「わたしがトンデモだったころ」も新たに始めさせ…
Sさんが引き込まれた沼は、「自称魔女」たちの集い(サ、サバト!?)。「マインドブロックバスター」なる資格を持つ友人が、Sさんへ「覚醒して、あなたも魔女になろう」と誘ってきたと言います。「魔女」と聞くと「超自然的な力を操ってあれこれする」という印象がありますが、はて……。
心が弱っているときに近づいてくる
Sさん(以下、S)「いまから数年前の出来事です。魔女コミュニティに呼ばれるようになったきっかけは、結婚後まもなくして夫が精神を病み自殺したことです。夫の自殺で私は脱け殻のようになり、家族にも身近な友人にも心を閉ざしていました。そんなとき、メッセンジャーで久々に連絡を寄こした友人と再会。自分の近況をあまり知られていないからこそ、いろいろなことが話せるような気がしたんです。そのときは藁にもすがる思いでしたが、いまではまだ藁の方がマシだったと思います」
トンデモ沼にからめとられていく人たちの多くは、「体と精神的な疲れで判断力が激落ちしていた」という傾向がありますが(例・産後の母親たち)、Sさんもドンピシャ、そんなタイミングだったよう。
S「その友人に勧められ、1回1万円ちょっとするマインドブロックバスターのセッションを受けたんです。受けた直後は気持ちがスッキリしたような気にはなりました。しかし鎮痛剤と同じで、間に合わせの処方薬って感じで、その後も同じことの繰り返し。そのほか有料のお茶会などもあり、お金が無くなる一方でしたね。マインドブロックバスター講師の認定資格を取ることも勧められましたが、13万くらいかかるのでそこまでは手を出せませんでした」