活路を見出した信金・信組と消えゆく地銀 メガバンクさえも危うい銀行の惨状、なぜここまで

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デジタル化に大規模リストラ…銀行業界の未来

 一方で、デジタル化の波が困窮する業界を救うという意見もある。メガバンク、地銀、信金・信組には、どのような影響を及ぼすのか。

「デジタル化は、銀行業界ではほぼ必須です。実際、Amazonに出品している企業の販売・仕入れの動向を算出し、融資の必要の有無をAIが自動計算するシステムがありますが、こうしたシステムの優位性をメガバンクや地銀も承知しているはずなので、システム投資コストを見極めている段階でしょう。

 しかし、こうしたシステムを導入すると、人員の削減、つまりは行員のリストラに直結するわけです。企業としてはコスト削減になりますが、そこで働いている行員としては歓迎できないことも多いことでしょう。

 一方で、デジタル化の波は預金ビジネスの面でも影響があります。電子マネーの登場で、必ずしも銀行にお金を預けない人が増えてきているのです。これを受けて、三菱UFJやみずほはオリジナルの仮想通貨などを発表していますが、あまり浸透しておりません。それもそのはず、実は銀行自体が、宣伝に消極的なのです。その理由は、銀行側がこうした新事業も言わば焼け石に水で、それよりも店舗数と行員の大規模リストラを行ない、経営規模を現状の半分にまで縮小せねばならないことに、薄々感づいているからだと思います」(加谷氏)

 最後に、銀行が向かう未来予想図を描いてもらった。

「法人向けサービスの面では、メガバンクや大手地方銀行を主としたAIを導入した大企業向けのデジタルな金融スタイルと、小規模の地方銀行や信金・信組を主とした地域密着の営業スタイル、その二つに大きく分かれていくのではないでしょうか。

 個人向けサービスの面では、基本的には大きな変化はないでしょうが、現状維持費に年間何兆円もかかっているATMを減らし、銀行側が押し進めている仮想通貨や銀行オリジナルの電子マネーを浸透させていくなど、ツールの変化は起こりうると思います」(加谷氏)

 安寧の時代はとうに過ぎ去ったと言えるだろう。今後は避け続けていた変革に本腰を入れて、時代の波に乗ること。その覚悟に尽きるのかもしれない。

(文・取材=TND幽介[A4studio])

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