拡大するベビーフード市場、ベビーフードへの誤解を解く「和光堂」「キユーピー」の地道な企業努力とは

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高月齢のベビーフードに力を入れるキユーピー

 一方、「近年ベビーフードはお客様に大変支持されています。ですが、まだまだベビーフードの誤解があるとも考えています」と語るのは、キユーピーの広報担当者だ。

 マヨネーズで有名なキユーピーもおよそ60年も前からベビーフードの開発に力を入れてきた。月齢5カ月頃の赤ちゃんから食べられる「瓶詰」シリーズや、レトルトパウチの「ハッピーレシピ」シリーズなどが人気だ。離乳食の“常識”は時代とともに変化しているため、祖父母に赤ちゃんを預けるにあたり「ベビーフードだと負担もかけなくて済む」と考え、購入する親もいるという。

 近年ベビーフードが支持されるようになった背景には、共働きが増えたこと、厚労省ガイドの改定、BFへの罪悪感が減っているとした上で「離乳食は手作りが好ましいけれど、ベビーフードをうまく活用すればいいとの考えが普及してきているのでは」と見解を示す。とはいえ、“保存料が入っているのではないか”“塩味が濃すぎるのではないか”といった不安の声もまだ多く、キユーピーでは、誤解や不安の解消につながるよう、東京都調布市にある見学施設「マヨテラス」で、ベビーフードの説明が聞けて試食もできるベビーコースを設けている。

「キユーピーとしても、離乳食は全部ベビーフードを使えばいいと伝えたいわけではなく、『ベビーフードを活用して離乳食を作る時間を減らして、赤ちゃんとのコミュニケーションの時間を増やしてほしい』との思いで、ベビーフードをお届けしています。

たとえば、人参などの根菜は柔らかくするのに時間がかかりますが、ベビーフードはちょうどよい柔らかさに調整しています。どのくらいの柔らかさにすればよいのか、ご家庭で離乳食を作るときの参考にもなります。また、高月齢の赤ちゃんで心配されるのが鉄分不足ですが、ご家庭で鶏レバーを使った離乳食を用意するとなると、なかなか大変ですよね。そんな時はぜひ、ベビーフードに頼っていただければと思います」(キユーピー広報担当者)
 
 キユーピーが特に力を入れるのは、高月齢の赤ちゃん向けのベビーフードだ。5~6カ月の離乳食初期の頃は1日1食だった赤ちゃんも、成長とともに1日3食が必要になる。この時期になると、外出も増えるため、3食分の離乳食作りは大変だ。今春に新商品を発売した「ハッピーレシピ(レトルトパウチ)」では、12カ月頃の赤ちゃん向けとして、家庭での調理が大変なまぐろや鶏レバーを使い、鉄分1食分を取れるメニューを充実させた。

 9月6日には、月齢7カ月頃から12カ月頃の赤ちゃん向けの「にこにこボックス」シリーズ(全11品)をリニューアル新発売する。レトルトパック入りの主食とおかずを組み合わせた1箱となっており、ライオンやゾウなど動物のデザインが施された外箱はトレーとして使えるほか、パペットとして遊ぶこともできる。外出に便利だ。

「赤ちゃんは、租借せずに飲み込んでしまう子も多くいます。にこにこボックスでは、月齢に合わせて素材の大きさや固さを調整し、だしをうまく使って塩分は控えめにしてあります。そして、食事の時間が楽しくなり、子どもが食べる気になってもらえるよう、パッケージにも工夫を凝らしました」(キユーピー広報担当者)

 ひと昔前とは育児の常識も親のライフスタイルも変化した今の時代、「ベビーフード」の存在はとても心強いはずだ。上手にベビーフードを活用していきたい。

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