「贅沢するな」と叩かれる相対的貧困、子供の学習意欲や自己肯定感を削ぐ悪影響も

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子供の貧困、地域のフォローが必要不可欠

 今年6月に「子どもの貧困対策推進法」が改正され、「将来の貧困の連鎖を断ち切るだけでなく、現在の状況の改善を推進すること」が追加された。末冨氏は番組で、今まさに困窮している子供を支援しなければ、意欲的に働くことが難しい大人になってしまうリスクがあると指摘。そのため、「現在の状況の改善を推進すること」という文言が使われたことは良い傾向だと話していた。

 また、「貧困対策に関する計画の策定の努力義務を市区町村に課すこと」が追加されたが、市町村ごとに資金やマンパワーなどに顕著な格差が見られるため、適切な対応ができない自治体も出てきてしまう懸念がある。田村氏は「公益の法人が対応したほうが良い場合は対応します。ただ、子供の貧困に一番気付けるのは近所の住民の方々で、その声は自治体に寄せられる。対応してもらわないと困ります」と、政府や都道府県がバックアップしつつも、地方自治体も高い意識を持って子供の貧困に取り組む必要性を語った。

 ただ、改正されてもなお、子供の貧困対策の現状は不十分な点が多い。以下は、末冨氏の指摘だ。

「日本は子育て世代の現金給付が他の先進国と比較して高くないです。子供の貧困問題は生活を下支えするだけの収入がないことが要因に挙げられます。とりわけ、生活保護などの支援を受けずに、働き続けている低所得世帯は少なくない。このケースで、必要なのは経済的な支援です。それと共に生活を下支えする様々な支援が大切になります」

 頑張って働いて収入を増やしても、所得制限を超えると支援を受けられなくなり、税負担なども増える。すると、生活はなかなか豊かにならず、必死に働いているのに貧困状態から上昇できないという状態に陥ってしまう。生活保護を受けられるほど低いラインにはないが、貯蓄を出来るほどの収入は得られず、自転車操業にならざるを得ない家庭。そこから自力で抜け出すことがどれほど大変か。

 「相対的貧困」は、生きるか死ぬかというレベルの貧困ではないかもしれない。だが、「だから自力で頑張れ」と突き放していいものではない。各々の事情に応じた福祉の対応が可能になるよう、予算や人員配置も含め、政治的な旗振りが必要だろう。

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