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香港騒乱が収束しない裏事情 中国全土を揺るがす分裂危機になりかねない展開

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「Getty Images」より

収まらない香港混乱の裏事情

 香港の混乱が収まりません。週末ごとに主催者側の発表で100万人超ともいわれる大規模な抗議集会、デモが続き、平日にも空港や駅での抗議が続いています。8月24日の土曜日にはデモ隊のうち29人が逮捕され、25日には警察がついに発砲に至りました。

 発端は香港政府が6月に「逃亡犯条例」を改正し、香港に逃げ込んだ逃亡犯を中国本土に引き渡せるようにしたことに、香港市民が反発したことにあります。

 香港は米国など20カ国と犯罪人引き渡し協定を結んでいますが、中国本土、マカオ、台湾との間には結んでいません。台湾や中国本土で犯罪を犯して香港に逃げ込めば、これまでは本土に引き渡されることはありませんでした。このため、これまで中国の富豪が資金を海外に逃がしたり、不正を働いて香港に逃げ込んだり、香港経由で海外に逃れたりするケースが少なくないといわれます。

 そこで中国の習近平政権が香港政府に圧力をかけ、逃亡犯条例を改正し、犯人を本土に引き渡せるようにしました。これに香港が強く反発しました。そして、これが必要以上に混乱し、かつ長期化している背景に、習近平政権と中国の江沢民派との対立構図があります。

江沢民派の強い反発 

 習近平政権は、江沢民派の富豪が香港を経済犯罪の隠れ蓑に利用していると疑っています。習近平主席が進める不正撲滅の中でも、香港の規制強化は、江沢民派の不正資金逃避の取り締まりの面もあります。このため、香港市民の反発と見せて、裏では江沢民派や海外に出ている華僑らが資金面も含めた支援をし、あるいは混乱を煽っている面があります。

 つまり、逃亡犯条例改正反対の抗議行動に見えて、実は習近平体制対江沢民派の対立と読み替えることもできます。米国が中国に求める構造改革においても、江沢民派の抵抗によって習近平主席が困難に陥ることが少なくありません。たとえば、国有企業への補助金禁止などは、国有企業のトップの多くが江沢民派だけに、江沢民派の反発が強く、米国の要望に応えられません。それだけ習近平政権は江沢民派に苛立ちを覚えています。

欧米も関与か 

 江沢民氏が1992年に国家主席になって以来、彼は米国のネオコン派(新保守派)と親密になり、以来江沢民派はこのネオコンと手を組んで動くケースが多くなっています。この両者は北朝鮮の金王朝とも親しく、中国北東部には朝鮮民族が多く入り込んでいます。今回の香港問題でも、米国国務省の女性幹部が入り込んでいる写真が掲載されましたが、彼女もネオコン系と言われています。

 また、英国もかつて香港の宗主国であったこともあり、この問題には関心を強めています。万が一、香港で中国の人民解放軍が武力をもって制圧に出るような場合には、米英も無関心ではいられません。そうなると、中国国内の問題では済まなくなります。

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