ハラスメントが減らない原因とは?セクハラをコミュニケーションの潤滑油と捉える社員も

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「ハラスメントの線引きが難しい」という言い訳

 国際労働機関(以下、ILO)は今年6月、職場でのセクハラや暴力を禁止する初めての国際条約を採択した。これに政府と日本労働組合総連合会は賛成したが、日本経済団体連合会は棄権した。その理由として日本経済団体連合会事務総長の久保田政一氏は「上司の適正な指導とパワハラは線が引きにくい」とコメントしている。

 久保田氏のこの発言に対し、「必ずこういう言い訳は出てきます」と呆れた様子を見せる白河氏。50代くらいの指導的立場にいる人は、ハラスメント的な指導を受けてきたのでその指導方法しかしらない。だが、やはりそれは「言い訳」なのだ。白河氏は、コーチングなど適切な指導方法を教える研修の場を設けるなど、解決策はあると提言。ハラスメント対策の強化に同意しないことは、適切な指導を放棄していること、つまり管理職が管理職としての責任を果たしていないことと同義だろう。

 また白河氏は、経団連が棄権したことのリスクとして、「外国人も日本で働くことが増え、日本人も海外で働くことが増えたので、現在のハラスメントに対する認識を持っていると、訴訟されるリスクが非常に高くなる」と指摘する。海外ではハラスメントが原因で裁判が行われ、多額の賠償金を支払う事例も珍しくないため、他国とハラスメントに対する意識の足並みを揃えるべきだと主張した。

トップが高い意識を持つことで組織が変わる

 ハラスメントを根絶するために、私たちはどう動けばいいのか。倉本氏は定期的なハラスメント講習を実施する必要性を説いたうえで、「管理職だけに全責任を押し付けるのではなく、他の社員からなんでもかんでも『それはハラスメントだ!』と言われて悩んでいる管理職は多いので、全社員が同じ研修を受けて欲しいです」と求めた。

 一方の白河氏は、社長がルールを決めて社員に共有することが重要だと訴える。「“お疲れさま”という意味で肩にポンと手を触れてはいけない」「部下と2人っきりで食事をしてはいけない」などのルールを取り決めている企業もある。トップが高い意識を持ち、全社員にそれを共有することで、組織の健全化を実現する企業も出てきているという。

 もう「言い訳」はやめにしよう。経団連という日本の企業を統率する立場にある組織がまず、「これは言い訳だ」と認めなければならない。従業員ファーストの組織づくりを目指すことが、働き方を良い方向に「改革」することに自ずとつながるはずだ。

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