社会

韓国人を病気扱いする「週刊ポスト」嫌韓・断韓特集の罪

【この記事のキーワード】
韓国人を病気扱いする「週刊ポスト」嫌韓特集の罪の画像1

「週刊ポスト」9月13日号(小学館)

 「週刊ポスト」(小学館)が「韓国なんて要らない」という特集を組み、抗議の声が広まっている。「週刊ポスト」9月13日号の表紙には次のような見出しが躍っている。

韓国なんて要らない 「嫌韓」ではなく「断韓」だ 厄介な隣人にサヨウナラ
「10人に1人は治療が必要」――怒りを抑制できない「韓国人という病理」

 ページをめくると、<隣国だから、友として親しく付き合わなければならない――そんな“固定観念”を一度、考え直すべき時期なのかもしれない。>と始まる。韓国には、日本側が誠意を持って<法と論理、正当な手続きを通じて関係を構築しようとしても、それが通じない>という前提で、韓国との関係を断つことを検討するこの特集。日韓関係が絶たれることで日本側のデメリットはほとんどないが、韓国側には多大なる損失が待っている、という脅しめいた結論が用意されている。

 また、<文在寅側近の不正入学疑惑ほか 日本人には理解し難い言動の背景 怒りを抑えられない「韓国人という病理」>という記事では、韓国の精神医学会が公表したレポートに「韓国成人の半分以上が憤怒調節に困難を感じており、10人に1人は治療が必要なほどの高危険群である」とあることを引用。しかしこれは「韓国人の性質」ではない。記事では強い精神的抑圧を生み出す社会構造にも言及している、にもかかわらず、新聞広告や中吊りにも使われている見出しは、「韓国人は病気」との印象を読者に与えるものだ。

 日韓の政治的な関係が目に見えて悪化している昨今、自称愛国のオピニオン誌のみならず、テレビのワイドショーでも暴論が飛び交うようになり、韓国という国家と、そこにルーツを持つ人々を罵倒することの正当性を主張するコメンテーターは後をたたない。そして週刊誌までもこの有様だ。

 9月1日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、ジャーナリストの青木理氏は、「中長期的に考えればこの対立は日韓両国に不利益」「お互いに一泡吹かせてやって、ちょっとスッキリしたというカタルシスですよね。そんなことのためにこれ以上、対立し続けていいのか」と警鐘を鳴らした。

 しかし一部ネット上では、韓国を悪く言わないことがすなわち「反日」であるという過剰なレッテル貼りが盛んだ。青木氏のように冷静な議論を呼びかけることも「日本を貶め、韓国を利する」と、不可解な判断をする人々の声が大きい。日本は韓国に裏切られてきた被害者であるという認識のもと、韓国と対等な立場を築く気など毛頭ない、という差別的な排外主義が横行している。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。