予防接種は「危険」で「怖い」? 迷う保護者に届けたいほんとうの情報

【この記事のキーワード】

MoritoYasumi201909a

「Getty Images」より

 予防接種を不安に思う人は、私が研修医のときからいました。

 「子どもに予防接種をしたら熱が出たので、もう二度と受けさせません」と言い切る人もいたし、「私は子どもにワクチンを受けさせたいけれど、私の母(夫)がそんな不自然なものを体に入れるのはよくないというんです。でも、普段面倒を見ているのは私だし、具合が悪くなったら看病するのも私。第一、病気になったら子どもがかわいそうじゃないですか?どうしたらいいんでしょう」と困っている人もいました。

 そういう人に頻繁に出会うわけではないし、いつも説明に十分な時間があるともかぎりません。だから、予防接種・ワクチンの話をなかなか端的に説明できないもどかしさがありました。

 今回、同書を執筆するにあたって私自身もあらためて勉強し直したり、説明の仕方を考えたりしたので、以前よりはまとまった話を素早くできるようになったと思います。同じように相談を受けて困っている医療関係者の人にも読んでもらいたいです。

感染症で死ぬ人を見ない現代

 世界的な麻疹の流行については、「おわりに」で共著者の宮原篤先生(かるがもクリニック)が書いています。2017〜2018年には麻疹患者が数十倍に増えている国が複数あり、さらに世界の麻疹感染者は2019年1〜3月は前年同期の4倍だとWHOが推計しています。

 感染症というのは、ウイルスや細菌などの病原微生物が生き物の体のなかで増えて、病気を起こしたり命を奪ったりするものです。歴史をふり返ると、私たち人類が病原微生物に対抗する手段をあまり持たなかった時代、人々は感染症の怖さを実際によく知っていたので、ワクチンの発明と普及は喜ばしいものでした。

 その後、衛生状態の改善やワクチン、治療法の発展によって感染症が劇的に減ると、感染症にかかる人やそれによって命を落とす人を目にすることがなくなります。

 すると、次のような段階を踏むことになるといわれています。

①副反応が過大に注目され、予防接種率が横ばいになります。
②ワクチンへの不信感や恐怖が大きくなります。
③感染症の知識や経験のない人たちのあいだで、予防接種率が下がります。

ワクチンを子どもに打たせたくない人が身近にいたらどうすればいい?

 「今年の流行、全員が感染するまで終わらないんじゃないか」ーー感染系ゾンビ物件か? というこのコメント。先日インフルエンザにかかり、うっかり周りにうつし…

予防接種は「危険」で「怖い」? 迷う保護者に届けたいほんとうの情報の画像1
予防接種は「危険」で「怖い」? 迷う保護者に届けたいほんとうの情報の画像2 ウェジー 2019.03.12

1 2 3

「予防接種は「危険」で「怖い」? 迷う保護者に届けたいほんとうの情報」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。