山本さんが急性の腎盂腎炎で倒れたのは6月。ちょうど保育所では継続在園のための手続きに入る時期だ。引き続き在園する資格があるかどうかを、就労状況等の現況届を提出し証明しなければならない。
「夫が海外にいて保育園のある地区に住民票がないために、課税証明書など揃えないといけない書類も多くて。しかも中国だから郵送にも時間がかかる。高熱でふらふらしながら、激務の夫と『締め切りが迫ってます!』などとチャットでやりとりをしていました」
「ちょっとしたこと」が大きな負担でできず
さらに小学校ではプールが始まり、毎朝の検温や水着への名前付けが必要に。ほかにも「歯磨き習慣」(歯磨きができたらシールを貼ろう)や「おはし名人」(おはしのマナーが守れるか家族でチェック!)などの、小さな行事が目白押しで、学校の提出物が多い時期とかさなってしまった。
「子どもと食事も一緒にとれてない状態だったので、おはしのチェックどころじゃなくて。でもさすがにそこまでママ友に頼めないので、『すみません、今体調不良でみられません』と書いて提出しましたね」
健康なときですら、こうした学校の行事とも言えない行事や提出物の多さに、辟易してしまうことはある。病気で倒れているときに、小さな作業が重荷になるのは当然だろう。
「ちょっとしたことなんですけどね。宿題のマル付けや音読を聞くことなどの細かい雑用も、親にしかできないことは結構会って。それに、子どもを預かっていただいたりする手配も夫がいればしなくてよかったと思うと、普段は不在に慣れていても、弱ったときはやっぱり夫がいてくれたらなぁと思いましたね」