山本さんはフリーランスのカメラマンをしている。繁忙期には休みがほぼとれない月もある。病気で倒れたとき、何も保障がない厳しさも今回実感したという。
「一晩寝たら治る」はもう通用しない
「たまたま6月は梅雨ということもあり撮影依頼が少ない月で、よかったです。新規の依頼はいくつか断ることになりましたが、すでにお引き受けしていたものは3件ほど日程を延期させていただくことでなんとかなりました。年末の繁忙期だったら大変なご迷惑をかけてしまうことになっていたでしょうね」
一週間の点滴とさらに一週間の服薬で、ひとまず治療は終了したが、腎盂腎炎は再発する場合もある。会社に属していないために健康診断もしばらく受けていなかったことを、山本さんは反省したという。
「今回は急性のもので、事前にはわからなかったことなんですが……。幼い頃から、病院にはほとんどいかなかったんです。身内に医者がいたからでしょうが、一晩寝たら治ると信じてしまっていた。でももうこの歳になると、自分の健康を過信してはいけないんですね。今後どんな病気があるかもわからないし、子どもたちのこともある。やっぱりきちんと検診や人間ドックを受けておかないと、といい勉強になりました」
大きな病気をして長期的な治療が必要になることは最も避けたいことだが、そうでなくても、山本さんのように突然の不調に直面することもある。日ごろから綱渡りで、仕事や育児を回している子育て世代は、生活すべての歯車を狂わされかねない。
パートナーに頼れなかった山本さんは、日ごろから地域で助けあう仲間をつくっていたことでなんとか危機を乗り切った。都会の核家族をはじめ、私たちは日ごろから自分たちで健康と人間関係を整えておかなくてはいけない。
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