
「Getty Images」より
自宅で派遣型マッサージ店の女性従業員を暴行したとして、強制性交罪で起訴された俳優の新井浩文被告(本名・朴慶培被告/40)の初公判が9月2日、東京地裁で開かれた。一般傍聴席は20枠だったが傍聴を希望する人々が長蛇の列をなし、抽選倍率は26.6倍にも達したという。
多くのメディアがこの模様を報じたが、それによれば新井被告はまず「まず女性に謝罪したい。本当にすみませんでした」と頭を下げたという。そして複数のメディアが、新井被告が「同意があったと思っています」と述べたと報じている。
詳報した産経新聞の記事では、新井被告が「起訴状については、暴力は一切やっていません。それと同意があったと思っています」と述べたと伝えたうえで、弁護人の「性交した事実などはその通りだが、頭を両手でつかむことなどはしていない。合意があると錯誤していた。強制性交の事実はありません」という言葉を記している。
しかし記事の見出しなどで“「同意があった」と主張”とするwebニュースは少なくなく、これに新井被告の弁護人が「誤解を招く危険性がある」とブログで警鐘を鳴らしている。
新井被告の弁護を務める早稲田リーガルコモンズ法律事務所の趙誠峰弁護士は、2日、ブログを更新。
本件の争点は1)被告人がAさんに刑法177条所定の「暴行」を加えたか? 2)性交について被告人がAさんの合意があると誤信することはなかったか? のふたつであると明記し、2)について<私たちは性交についてAさんの合意があったと主張していません。合意があったと誤信していたと主張しています><「合意があった」という主張と、「合意があったと誤信していた」との主張は意味合いが全く違います><しかし本日のマスコミ報道の多くは、「同意があった」との主張をしたかのようなものでした>と綴っている。
そのうえで趙弁護士は、<誤った報道がなされることにより、さまざまな誤解が生ずる危険があります。その誤解は取り返しのつかない不利益をもたらすことがあります>と、正確な報道を求めた。この事件の第二回公判は9月26日に開かれる予定だ。