高校生投手の選手寿命を守るために球数制限より先にすべきこと

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投球制限の導入よりも先にやるべきこと

 徳島大会を一人で投げ抜いて甲子園出場に貢献した鳴門の西野知輝投手は1回戦、花巻東に9回完投、154球の熱投で勝利しましたが、中4日で登板した2回戦、仙台育英戦では8イニング、126球、8失点で、この夏の大会初めて試合途中でマウンドをリリーフに譲りました。リリーフ登板した竹内勇輝投手は、西野投手よりも10km/hほど速い140km/h台のストレートを投げ込み1イニング無失点に抑えました。

  この投球だけを見る限りでは、もっと早い回での登板をさせることで、失点を防ぎ均衡した試合展開に持ち込めたのではないかと考えてしまいます。鳴門に限らず、1戦必勝の高校野球において、エースにチームの命運を預ける監督は少なからずいることでしょう。

  しかし、そうしたチームのエースが降板した後に出てくる投手が好投する例は多く見られました。まずは「エースと心中する覚悟で臨む」という指導者の考え方を払拭して、複数の投手の可能性を引き出す指導法を確立させることが重要なのではないでしょうか。

 「エースと心中」という考えが蔓延している状況を打破するための対処療法として、投球制限というルールを設定する考えが出てきました。ルールであれば従わざるを得ませんので、今回の佐々木投手のような論争は起きないでしょうし、連投のエースが投げるよりも2番手が良い結果を残すという可能性もあるでしょう。ただ、投球制限に関しては、高校野球の指導者、プロ野球経験者から異論が噴出しています。その理由としては、待球作戦や無駄なカット打法でファールを打ちにいき、先発投手を早く降板させる作戦が横行し、野球の質が変わってしまうのではないかという疑念を持たれているからです。

 さらにはスポーツ障害を専門とする専門家からも投球制限に関して慎重に議論を進めるべきとの声が上がっています。

▼参考記事:「球数制限」は対症療法、根本治療が必要

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