高校生投手の選手寿命を守るために球数制限より先にすべきこと

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投球数の制限に留まらない「根本治療」を

 「ベースボール&スポーツクリニック」を開業し、数多くのスポーツ障害治療に携わった馬見塚尚孝氏によると、過労性障害には「回数(投球数)」「力の大きさ」「フォーム」「コンディション」「個体差」の5つの要素が関係しているとのことです。正しいフォームで6割の力で投げる145km/hの球と、肘や肩に負担がかかるフォームで全力で投げる120km/hとでは、後者のほうがケガのリスクが高いのです。

 なので、一概に投球数だけを制限するのは「対処療法」に過ぎず、「今のチームと選手の未来を両方考えて、選手の未来を潰す対応をしない関係者の認識を成長させる」という「根本治療」が必要だと馬見塚氏は提言しています。

 「暑い中、耐えて頑張っている高校球児を見たがっている」とのたまった元高校野球の監督もいらっしゃいましたが、10年前に比べて猛暑日となる確率が上がり、グラウンドの体感気温が43度にもなる環境に晒して100球を超える投球を連投させることが、果たして「選手の未来を潰す対応をしない」教育の一環と言えるのでしょうか。

 新世紀の高校野球においては、投球制限という対処療法よりも、根本治療として

・スポーツ医学や指導法の知識を身につけたことを証明する「指導者ライセンス」の発行を行う。
・選手の負担を軽減するように、試合間隔を十分に開けられる試合日程の編成

  といった指導者や主催者の意識改革が必要なのではないでしょうか。

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