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9月の熱中症に注意!体温調整機能を狂わせる寒暖差

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「Getty Images」より

 8月が終わると、熱中症の危険度が下がってやれやれ、と思う人も多いかもしれない。

 しかし、9月になっても熱中症には注意が必要だ。というのも、熱中症は暑ければなる、という単純なものではなく、「体の体温調整機能が狂った時になる」ためだ。

 そのため、暑さが安定している時以上に、気温の変化が激しい時のほうが注意を必要とする。

 環境省の『熱中症リスクカレンダー』によれば、リスクのピークは8月頃だが、9月中も「厳重警戒」と「警戒」の地域が多い。そこで、熱中症とはどのような症状で、なぜ、近年増えているのか見ていきたい。

熱中症とはどのような症状か

 私たちの体は、環境が暑くなると、体温の異常な上昇を抑えるために末梢血管を拡張させて皮膚表面から熱を逃がしたり、発汗により皮膚表面から熱を奪おうとしたりする。

 ところが体内の水分や塩分が不足した脱水状態が続くと体温調整ができなくなって急激に体温が上昇し、さまざまな症状を引き起こす。これが熱中症だ。

 具体的には吐き気、めまい、頭痛、熱失神、節々の痛み、けいれん、疲労、ほてり、異常な発汗、皮膚の異常(赤みやかさつき)、意識障害、歩行困難などがある。

 これらの症状に見舞われたら、すぐに環境を変え、医療機関で適切な治療を受ける必要がある。

1990年代から熱中症による死亡者が急増した理由

 昔(ここでは昭和時代)は日射病はよく話題になったが、熱中症が話題になった記憶がない。実際、熱中症による死亡者が急増したのは1994年(平成6年)からだ。

 独立行政法人国立環境研究所によれば、熱中症の死亡者が1994年から激増している原因のひとつは、翌年(1995年)に国際疾病分類の変更が行われたことで、死亡診断書作成法改訂が行われたこともあるという。

 つまり、死の原因が熱中症であると診断される基準が変わったということだ。しかし、1995年以降も熱中症による死亡者数は増加傾向にあるため、実際に熱中症による死亡者が増えてきたことは確かだ。

 この増加の原因は、高齢者の熱中症死亡が増えたことによる。特に2000年以降になると、熱中症で死亡した男性の52%と女性の85%が65歳以上の高齢者となっている。

 3つめの原因は、夏の気温が高くなったことによる。実際、猛暑だった1994年、2004年、2007年の死亡率は高く、冷夏だった2003年は死亡率が下がった。やはり暑さと死亡率には因果関係がありそうだ。

 まとめると、近年、熱中症による死亡者が増えた原因には、少なくとも「死亡診断書作成法改訂」と「高齢化」と「気温の上昇」の3つの要因があるといえる。

(独立行政法人国立環境研究所『環境儀No.32』)

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