社会

『報ステ』チーフPがセクハラ更迭、テレ朝調査では社内のセクハラ被害が56%

【この記事のキーワード】
【完成】『報ステ』チーフPがセクハラ更迭、テレ朝調査では社内のセクハラ被害が56%の画像1

テレビ朝日『報道ステーション』公式Twitterより

 『報道ステーション』(テレビ朝日系)のチーフプロデューサーがセクハラで更迭された。3日の「日刊ゲンダイDIGITAL」記事では「週刊誌がK氏のセクハラ問題をかぎつけたことで、隠し切れなくなった」ことで処分に至ったとあったが、5日発売の「週刊新潮」(新潮社)が詳報している。

 「週刊新潮」によると、セクハラで更迭されたのは『報道ステーション』の最高責任者(チーフプロデューサー)の桐永洋氏(49)。桐永氏は同番組のリポーターをつとめる森葉子アナを食事に誘った。森アナは大人数の会食と思ったが、指定された店に着くと二人きりだった。店を出ると、桐永氏は送迎を拒否する森アナを押し切って自宅マンションのエレベーターまで送り届け、いきなり抱き着いてキスをしたという。桐永氏サイドは「森アナから抱き着いてきた」と主張しており、意見は食い違っている。

 だが同誌によれば桐永氏は同様の手口で女性社員や学生アルバイトなど10人以上にセクハラまがいの行為を繰り返してきたため、社内のコンプライアンス当局から口頭注意を受けていたとのことだ。

 こうした中で、先の参議院選挙をめぐる番組づくりの方針の違いによって桐永氏らに叱責されたディレクターらが、これをパワハラであるとコンプラ当局に通報。桐永氏は同番組の最高責任者を解任され、子会社のBS朝日に出向になるという。

 セクハラなどの問題を追及する役割を持つメディア、それも報道番組の最高責任者がセクハラの常習犯になっていた。非常に残念なことだが、昨年の福田淳一前財務次官によるテレビ朝日の女性記者へのセクハラ発覚に際してのテレビ朝日の対応からすれば、驚くことでもない。

 福田財務次官によるセクハラを受けた女性記者は、上司に被害を報告したにも関わらず、適切な対応を取られなかった。これをきっかけにテレビ朝日内で行われたハラスメントに関する無記名の調査では、女性回答者126人のうち、社内関係者からセクハラを受けたと答えた人数は71人で56%にも及んだという。テレビ朝日の社内ではセクハラが横行してきたのだ。
 
 セクハラが健全な職場にあるまじき問題であることは十分に周知され、メディアはそれを報じてきたわけだが、にもかかわらずセクハラ被害がこれほど多いのはなぜか。そこには、ハラスメント的な言動を“コミュニケーションの潤滑油”と捉えてきた組織の風土があると考えられる。

これは8月24日放送の『田村淳の訊きたい放題!』(TOKYO MX)に出演したダイヤモンド・コンサルティングオフィス代表でハラスメント研修専門講師の倉本祐子氏の提言だ。

厚生労働省も「何らかのハラスメントを受けたことがある」と回答した職員が46%

 セクハラやパワハラは、社会において許容範囲内のコミュニケーションであり、不適切な指導でもないとみなされてきた。しかし現在では、相手の尊厳を軽んじたハラスメント行為は適切なコミュニケーションとは呼べないという認識がグローバルスタンダードになりつつある。

 しかし日本のスタンダードはまだそこに追いつかず、「なんでもハラスメント呼ばわりされると、円滑なコミュニケーションが取れない」と嘆く声がクローズアップされもする。仕事におけるハラスメントを取り締まる立場の厚生労働省においても、ハラスメントが蔓延しているというからこの問題は根深い。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。