「焼肉ライク」快進撃、“お一人さま焼肉”ブームが止まらない! 拡大する個食需要に死角はあるか?

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焼肉ライクが次に狙うべきはシニア層!?

 躍進を続ける「焼肉ライク」だが、今後の戦略はどういうものなのだろう。特に、ファストフードチェーン事業の目玉でもある新メニューの開発が気になるところだ。

「“お肉を焼く”という調理スタイルが決まっていることや、商品を厳選して回転率を上げるというコンセプトがある以上、大きな変化はつけづらいでしょう。ただ、稀少部位や国産の質の高いお肉を入荷した際などに、魅力的な期間限定メニューとして打ち出す可能性は大いにあります。焼肉ライクの場合、基本的にメニューの肉に産地は謳わず部位として商品価値を付けていますが、新規限定メニューなどは、産地や等級を軸に攻めていくかもしれませんね」(重盛氏)

 従来は都心の駅近のテナントで出店してきたが、今年3月29日にオープンした松戸南花島店(千葉県松戸市)は、郊外のロードサイド沿いに出店している。この狙いは?

「松戸南花島店は、本来のコンセプトとは少し違う客層を狙ったトライアル店舗でしょう。こちらの店舗は一人焼肉に特化した店づくりではなく、ファミリー層やカップル向けの対面式のゆったりとした席も設けており、子供向けのメニューなども増やしています。都心部の店舗では、隣り合う席同士なら友人連れで訪れてもある程度楽しめますが、座席の関係上、3の倍数の人数の来店の場合、バラバラに案内せざるを得ないというデメリットがありました。しかし、このロードサイド店はグループでの来客にも対応できるはずです。

 ただし、単純にロードサイドに進出するだけではコケてしまう危険性もあります。これは、車での来店が主であるロードサイド店のターゲットは家族連れであり、特にその中心である子どもの心を掴む工夫が肝要だからです。つまり、そうした工夫がなければ、競合店と多少距離が離れていても、車移動のためサッサと店を変えられてしまう懸念があるということです」(重盛氏)

 上記のロードサイド店にも関連して、重盛氏は焼肉ライクの今後の展開をこう予測する。

「どこに出店するかという以前に、コンセプトである個食需要の、まだ開拓しきれていない層の取り込みが重要になってくるでしょう。具体的に言うと、シニア世代の“お一人さま”を狙うということです。今、厚生労働省がタンパク質摂取のため高齢者に肉食を推進しているように、シニア世代に焼肉はピッタリ。一人で気兼ねなくお肉が食べたいな、と思っている高齢者も多いはずです。さらに言えば、高齢者がよく利用するコンビニ食品は、“焼く”という調理方法のメニューはまだまだ弱いので、そういう意味でも狙い目だと思います」(重盛氏) 

 シニア世代の顧客獲得を目指すのであれば、シニア世代が多いわりに飲食店が減ってきている、郊外のニュータウン周辺を狙うといった戦略もありえるのかもしれない。“お一人さま”層の胃袋を掴んで離さない「焼肉ライク」の快進撃に、今後も目が離せない。

(文=TND幽介/A4studio)

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