ひきこもりと農業のマッチング支援に批判 多数の実績あるが課題は

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農業以外のひきこもり支援の実態

 8月24日放送のテレビ朝日系『スーパーJチャンネル』では、ひきこもり支援の結果、屋根の工事をする会社に就職した男性に密着していた。

 中学の不登校経験があり、大学卒業後に就職試験を受ける勇気が出ず、そこから青森の実家で10年以上ひきこもりになってしまった男性は、何とかしないといけないと思っていた中で、33歳のとき、東京に暮らす姉を頼って上京。足立区のひきこもり支援で、屋根の工事を行う会社、南富士株式会社に就職。これまで実家で冬に雪かき作業をしていたことから、なんとかなるのではと考えたという。

 この南富士は、社長自身もひきこもった経験があることから、ひきこもりの若者を採用する形で支援したいと考えたとしている。屋根の上は、高所であり、暑さ寒さをダイレクトに感じる過酷な現場であることから新卒を採用しようとしても、集まらないという状況もこの決断の後押しになったようだ。

 ひきこもり経験者は、素直でひたむきというメリットがある一方、デメリットは体力不足ということで、同社ではそこを補うことから始める。

 仕事のきつさなどから、ずっと続けられる仕事なのかはまだわからないと明かすが、3年経った今、カメラに向かって、リラックスした表情で話しができるまでになった。

 しかし気になるのが、給料である。最初の週の勤務は2回、2週目は3回、そして3週目からは週5の勤務となる。研修期間の給料は月8万円。現在36歳のその男性は、正社員になり月20万円ほどの収入を得ているという。これがひきこもりだった人に限っての金額かは不明だが、危険な作業にしては大卒の初任給程度のものであるのが引っかかった。

 1日あたりの労働時間が不明なため、やたらなことは言えないが、例えば建築板金工という屋根や外壁、ダクトの施工をする仕事でいえば、平均年収は400万円前後といわれている。

 農業にせよ、違う業種にせよ、ひきこもり出身者が経営側にとって好都合な労働力として使われてしまう可能性はある。外国人労働者を不当に低い給料で働かせていることが問題となっているが、同様にひきこもりも、単なる使い勝手のいい労働力とすることがあってはならない。

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