社会

葛飾で女子中学生に暴行する“いじめ動画“、「犯人特定」と個人情報まで瞬時に拡散

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「Getty Images」より

 葛飾区の河川敷で、女子中学生が男子中学生に飛び蹴りなどの暴行を受ける動画がネット上で拡散され、加害者を特定するトレンドブログも大量生産されている。

 最初に動画がネット上にあがったのは今月5日で、Twitterに投稿したのは、加害者、被害者どちらかの知人と思われる女性であった。以下の文章と共に、問題の動画をアップしている。

<葛飾の子なんですけどみんなの前で蹴られ殴られ挙げ句の果てには性行為まで目の前でさせたらしいです。 とても胸糞悪いお話ですが警察も動いてくれないっぽいので関係者希望で拡散させていただきます>

 動画の内容は、男子生徒が女子生徒のことを馬乗りになりながら殴る、首を絞める、飛び蹴りをするといった暴行の他、「やり返していいって」「これじゃリンチになっちゃう」といった会話、笑い声などが入っている。

 この動画はあっという間に拡散され、ネット上では複数のユーザーが動画に映っている建物などから場所を特定。さらに、加害者、被害者の顔を知っているというネットユーザーが現れ、名前や通っている中学校、Instagramのアカウントなどといった情報が集まった。

 センセーショナルな事件が発生すると一瞬でここまで情報が集まってしまうが、まだその信ぴょう性が定かでない段階で大量に生成されるのがトレンドブログだ。今回も「葛飾でいじめをした犯人を特定!」などのタイトルで煽り、加害者に関する不確かな情報を拡散している。

 なお現在、加害者とされる男子生徒のInstagramのアカウントは削除され、最初に動画を投稿したTwitterアカウントも非公開となっている。

 今現在あがっている加害者の名前や情報が「正確」とは限らない。先月発生した常磐道でのあおり運転事件の際も、ネット上ではすぐさま加害者が特定され、誹謗中傷の嵐となったが、「ガラケーの女」として名前と顔写真など個人情報を拡散された女性はまったく無関係な人物だったことが判明している。

 デマを流された女性は記者会見を開き、名誉棄損による刑事告訴も検討していると明かした。

 また2017年の東名高速でのあおり運転事件の際も、運転していた男についてデマを流したとして、11人が名誉棄損容疑で書類送検されている。

 今回の動画に映る行為は“暴行”であり、“いじめ”などという言葉で片付けてよいものではないだろう。「被害者を助けたい」という気持ち、「加害者を懲らしめたい」という気持ち、それらは善意のつもりかもしれない。だが不確かな情報を信じて“悪人の個人情報”を拡散したら、実はデマだった……という可能性は常にある。

 新聞報道によると、警視庁や葛飾区教育委員会がすでに調査にあたっているという。ネットリンチの“私刑”は控えてほしい。

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