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災害伝言ダイヤルの使い方、備蓄チェックは大丈夫? 災害はいつどこで起きてもおかしくないから

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「Getty Images」より

 毎年、日本各地で災害が多く発生し、甚大な被害をもたらしている。この夏は、佐賀県で8月27日からの記録的な大雨により、病院が孤立したり、多くの住宅が浸水した。

 今や、日本のどこに住んでいても、防災意識がますます求められる時代だ。災害時にも安心して暮らせるように、日頃から防災意識を高めていくのは大切であると言えるだろう。

気象庁と連携「特務機関NERV 防災アプリ」

 9月1日の防災の日に、「特務機関NERV 防災アプリ」(NERV=ネルフ)がリリースされた。このアプリは、天気や台風の予想、地震・津波・噴火の速報、特別警報や土砂災害の情報など、一つのアプリでさまざまな情報を受信できる。

 また、気象庁と連携していて、登録した場所の洪水や土砂災害の危険度を知らせる「大雨危険度通知機能」にも対応している。防災情報が迅速かつ的確に届くように設計されていて、利用者に最適の防災情報を国内最速レベルで配信する。

 デザインにもこだわっていて、色覚異常の人でも見やすい配色、視覚障害や読字障害の人にもわかりやすい音声読み上げ機能もついている。

 アプリはダウンロード・利用料とも無料で、他のアプリ同様、回線料金や通信料は自己負担になる。9月1日現在、対応OSはiOSのみで、Android版は後日配信予定だ。

特務機関NERV 防災アプリ

家族への連絡用に災害用伝言サービスの体験

 これまでの災害時には、携帯電話や固定電話が非常につながりにくい状態になっている。災害に遭遇した際、家族への連絡方法を事前に決めておくと慌てないで済む。

 災害用伝言ダイヤル(171)が体験日を設けているので、一度、家族で事前練習しておくとよい。体験日は、毎月1日、15日などで災害用伝言ダイヤルのページで確認できる。

災害用伝言ダイヤル(171)

 災害用伝言ダイヤルとは、地震・噴火などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に、提供が開始される声の伝言板だ。

 体験日に筆者は利用してみたが、171にダイヤルしてガイダンスに従って伝言の録音、再生を行う形で難しくない。

 連絡を取りたい人の電話番号を入れるとあるので、実家の電話番号を入れ、筆者は伝言を録音した。実家の母に、災害時に電話がつながらない場合は171に電話して録音を再生するように話し、実際に体験日に録音を再生してもらったが、ガイダンスに従うので簡単にできた。また、筆者の兄弟にも体験日に171に録音するよう連絡し、災害時の家族間の連絡は、171での実家の電話番号で録音、再生ともに行うという意識ができた。

 各携帯会社でも災害用伝言板サービスを提供しているので、災害時にどれを使うか、家族で事前に検討しておくとよいだろう。

勤務先から自宅の徒歩ルート確認

 仕事中に災害にあう可能性も想定して、勤務先から自宅までの徒歩ルートの確認をしておこう。その際、途中休憩できる店舗などがどこにあるかをシュミレーションしておくと、いざという時、冷静に対応できる。実際、すぐに歩く時間が取れなくても、グーグルマップなどでまずはルートを見ておくとよい。

 九都県市では、災害時に徒歩で帰宅する人たちのために、コンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどの店舗と、徒歩帰宅者支援のための協定を締結している。

 九都県市は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市。災害時帰宅支援ステーションの店舗は、九都県市の防災のページから確認できる。

 対象の店舗では、災害時帰宅支援ステーションなどと表示があるステッカーが掲示されている。ここではトイレ、水道水の支援などに協力してもらえるという。

北海道胆振東部地震を教訓に備蓄を考える

 2018年9月に起きた北海道胆振東部地震。この地震では、日本で初めてブラックアウト(大規模停電)になり、多大な影響を及ぼした。通信障害や物流停止、断水、信号機が停止し事故が増えるなど、多くの混乱が発生した。

 また、電気が復旧しても、物流機能はすぐに回復しなかったため、食料品などの欠品状態が長く続いた。

 ブラックアウトを想定していなかった私たちに、この地震は多くの教訓を残してくれた。そこで、北海道胆振東部地震の後、必要度が高かったものや品切れになったものを振り返る。

現金の重要度の高さと必要な備え

 今は、キャッシュレス決済が普及して、あまり現金を持ち歩かない人も多いかもしれない。しかし、地震後の停電当時の状況は、お店での買い物は現金のみ、クレジットカード不可となっていた。ATMなども使えなくなるので、この件から、ある程度の現金は手元に置く重要性がわかる。

 また、品切れになったものには、水、カップラーメン、カセットコンロ、カセットボンベ、電池、電池式携帯充電器、懐中電灯、ランタン、ポリタンク、水のいらないシャンプー、携帯用ラジオなどがあった。

 地震直後は休業したり、入場制限や買い物は1人5点までなど数量制限をしたりする店もあり、長蛇の列ができる店もあるなど混乱もあった。

首都直下地震の想定

 9月1日の防災の日に、政府は東京23区を震源とする首都直下地震が発生したという想定で、総合防災訓練を行った。首都直下地震とは、今後30年以内に約70%の確率で起こると予測しているマグニチュード7程度の地震だ。

 内閣府の防災情報のページによると、この地震による死者は約2万3000人、電力は発災直後に約5割の地域で停電し、1週間以上不安定な状況が続くと予測している。

内閣府の防災情報のページ

 通信においては、固定電話・携帯電話ともに9割の通話規制が1日以上継続、上下水道は、都区部で約5割が断水、約1割が下水道の使用ができなくなる。

 交通は、地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1カ月程度、再開までに時間がかかる可能性がある。水・食料品の備蓄は「最低3日間、推奨1週間」だ。

 北海道胆振東部地震のブラックアウトの際に品切れだったものは、備蓄するものの優先順位を決める際に参考になる。もちろん、品切れになったもの以外にも必要なものはあるが、まずはそれが、停電時に必要性の高いものだ。あらかじめ備蓄できていれば、災害発生直後に、慌てて店に買いにいく必要もない。

 食料品に関しては、カップラーメン以外にも、缶詰やレトルト食品など個々の好みに合わせて、備蓄しておくとよい。災害用に特化した食料品でなくとも、普段から食べるものを備蓄用も含めて多めに買っておくと、賞味期限前に食べて、新しい物を補充するなど無理なく対応できる。

 北海道胆振東部地震のブラックアウトは、復旧まで約45時間かかった。今後も日本のどこかでブラックアウトが起きないという保証はないし、起こった場合、最大数日間起きるという想定もある。これらはあくまでも想定だが、他人事ではなく起こりうる事態として、意識して準備しておくと災害時に慌てなくて済む。

 家族との連絡方法の確認と体験、勤務先から自宅への徒歩ルートの確認、水や食料品などの備蓄など、考える機会を設けてみるのはいかがだろうか。

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