会社を辞めたら失業保険(基本手当)をもらおう! リアル失業者を例に雇用保険の受給を解説

【この記事のキーワード】
会社を辞めたら失業保険(失業手当)をもらおう! リアル失業者を例に雇用保険の受給を解説の画像1

生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。毎月のお給料から何気なく払っている雇用保険料。天引きなので払っている感覚も薄く、いくら引かれているのかを認識していない人も多いのではないでしょうか(タイトルでも使用している、一般によく聞く失業保険という表現は正式名称ではありません。正式には雇用保険といいます)。

 でも雇用保険は、困った時に役に立つ素晴らしい制度です。たとえば、仕事を辞めた時にもらえる「失業手当」「失業保険」等と呼ばれるお金のことは、聞いたことがあるのでは?

 先日、現在まさにハローワークに通って雇用保険の給付を受けているMさん(32歳男性、辞めた会社での年収200万円台前半)に話を聞くことができました。

 Mさんの話を聞いていると、やはり雇用保険料についての知識が曖昧なことがよくわかります。そこで今回はMさんを例に、雇用保険の受給について、具体的なスケジュールなどを紹介したいと思います。

雇用保険の受給を受ける基本的な要件は?

Q:辞めた会社ではどのくらい長期のフルタイムで雇用されていましたか?
A:平成27年4月から今年の4月末なのでマル4年です。ずっと正社員でした。

【解説】
 マル4年ずっと正社員とMさんはおっしゃっていましたが、書類(雇用保険受給資格者証)によると、H27.10.21に雇用保険資格を取得となっていました。入社から半年以上もの間、雇用保険がかけられていなかったことになります。
 本来は、31日以上働く契約で、週に20時間以上の勤務であれば雇用保険に入ることになるので、ここは疑問が残ります。
 雇用保険を受給するには、1年以上雇用保険料を払っている(被保険者である)必要があります。Mさんは3年以上なのでクリアですが、もしも1年ほどの勤務であれば、本人の認識と実際に雇用保険に入っていた期間が違って受給できない可能性があるので注意が必要です。

Q:働いていた間、どのくらいの保険料を払っていたか覚えていますか?
A:いいえ。覚えていませんけど、安かったような……。

【解説】
 Mさんは一般の業種(雇用保険料が高い建設業や農業ではない)だったので、天引きされる雇用保険料は月給、残業代、交通費を足したものの0.3%です。
 当時のMさんのお給料は20万円弱。つまり毎月600円弱を収めていました。3年半で約25,000円になります。
 また雇用保険料は会社負担の0.6%もあるので、会社もこの間約50,000円払ってくれています。

Q:4月末で辞めたとのことですが、会社から離職票をもらったのはいつですか?
A:5月15日です。失業保険をもらうので、早めに離職票がほしいと伝えておきましたが、ゴールデンウィークもあったので……。

【解説】
 会社には離職票を全離職者に渡す義務がありません。雇用保険の給付を受けながら求職活動をするのであれば、まず会社に「離職票をできれば早めに欲しいです」と伝えましょう。
 離職票は会社がハローワークで離職の手続きをして受け取るものなので、受け取れるまで2~3週間かかるのが通例です。辞めた会社に出向くか、郵送で、「離職票」と「離職されたみなさまへ」という説明用の冊子を受け取ります。

1 2

「会社を辞めたら失業保険(基本手当)をもらおう! リアル失業者を例に雇用保険の受給を解説」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。