Q:会社からもらった離職票を持って、最初にハローワークに行ったのはいつですか?
A:5月15日にもらって2日後の5月17日です。
【解説】
離職票をもらったらできるだけ早めにハローワークに出向き「求職の申込」手続きをしましょう。その日から7日間の「待機期間」があります。この間に、ハローワーク側で受給資格などを調査しています。
アルバイトは一切しないでください。アルバイトをすると待機期間が伸びてしまいます。Mさんの場合、5月17日が「求職の申込」、5月23日が「待機期間満了日」です。
Q:今回の離職理由はなんですか?
A:店を閉めるということで、自分の職場が無くなることになりました。
【解説】
離職理由によって、すぐに受給を受けられるか否か、何日間受給を受けられるかが変わってくるので非常に重要です。
離職理由が、「他の会社で働いてみたい」など、いわゆる「自己都合」であれば3カ月間の「給付制限」という期間があり、すぐに受給できません。解雇など「会社都合」であれば、給付制限の期間がないので最短のスケジュールで受給可能となります。Mさんの場合は、事業所閉鎖とのことですから「会社都合」です。
Q:5月17日の求職申し込みの手続きをして受け取ったものはありますか?
A:説明がたくさん書かれた冊子です。
【解説】
求職申し込みをすると「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」と、地域によってはガイドブックを受け取ります。しおりの表紙には、次に出向くことになる「雇用保険説明会」の日時と持ち物が書かれています。この2点は非常に重要ですので必ず確認してください。
Mさんの場合、雇用保険説明会5月29日、持ち物は、受給資格者のしおり、写真2枚、マイナンバーの通知カードに赤マルが付けられていました。また、最初の失業認定日である6月14日の記載もありました。
Q:5月29日の雇用保険説明会に行きましたか
A:実は、ケガで入院して行けなくなったので、当日の朝ハローワークに電話しました。1週間後の6月5日に来るように言われました。
【解説】
通常、指定された日時に「雇用保険説明会」に必ず出席します。もしも、行けない場合は早めにハローワークに相談しましょう。
ただし、ここで重要なのは、受給資格者は「失業」している必要があるということです。
失業の定義は、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」ことなのです。指定された日時にはいつでも出向くことができる、心身・スケジュール共にスタンバイの状態なわけです。もしも、病気やケガで難しい場合は、諸々延長をするなど手続きをしなければいけない可能性があるので、必ず相談しましょう。
Mさんは、翌週には行ける状態だったため、延長などなく日時の変更で済みました。
Q:6月5日の雇用保険説明会でもらった書類は?
A:「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」です。
【解説】
「雇用保険受給資格者証」には写真が貼られており、日額いくら受け取れるのか(基本手当日額)、何日間受け取る権利があるのか(所定給付日数)など個々の情報が印字されています。「失業認定申告書」は実際に仕事を探した状況を記載します。この2種類を初回認定日に持参します。
Mさんは、基本手当日額4714円で、賃金日額の約74%です。所定給付日数120日です。これは働いていた時の賃金や年齢、離職理由などで人によってガラッと変わってきます。一般的な法則としては、年齢が高いほど、会社都合の場合などは所定給付日数が多くなります。
Q:6月14日の初回認定日に行って、受給できましたか?また、振込日は?
A:はい、認定日に行って6月18日に振り込まれました。初回だけ金額が少なかったですね。
【解説】
決められた初回認定日にハローワークに出向き、失業している実態と求職活動の実績が認められると、その数日後に該当日の分が振り込まれます。
Mさんの初回振込みは、待機期間満了翌日5月24日から認定日の前日6月13日の分で、98,994円振り込まれました。
Q:その後の日時や金額を教えていただけますか?
A:その後、4週間後に13万円ちょっと、また4週間後に13万円ちょっとです。
【解説】
初回認定日以降は4週間毎の同じ曜日に認定日がやってきます。失業の実態と最低2回の求職の実績が認められるとその数日後に振り込まれます。
Mさんの場合、7月17日に2回目(7月12日)認定分131,992円、8月14日に3回目(8月9日)認定分132,104円が振り込まれています。
Q:そろそろ受給が終わりますが、これから受給を受ける方にメッセージはありますか?
A:雇用保険は人それぞれ違いがあるので、少しくらいはネットで調べてからハローワークに行くと話がわかりやすいと思います。それと、会社都合でも最初のお金をもらうのに3カ月近くかかりました。自己都合なら半年くらいだと思うので貯金がないと暮らせないと思います。年金とか保険とか税金も払わなきゃいけないので、雇用保険はかなり助かりますけど、会社を辞める時点である程度の貯金は必要ですね。
【まとめ】
~受給のスケジュール~
4月30日 離職(会社都合)
5月17日 求職の申し込み
6月5日 雇用保険説明会
6月14日 初回認定日(6月18日振り込み)
7月12日 2回目認定日(7月17日振り込み)
8月9日 3回目認定日(8月14日振り込み)
つづく
今回はMさんの例を通じて制度や言葉、スケジュールを具体的に解説しました。受け取りまでに時間がかかることもおわかりいただけたと思います。
また、最後の質問の回答にありますが、国民健康保険と国民年金、前年分の住民税の支払いの義務があります。ハローワークと市区町村の役所に出向くこともお忘れなく(郵送対応をしている自治体もあるようなので問い合わせてみてくだ さい)。
失業期間は年金や税金を貯蓄や退職金などで支払うのが理想ですが、場合によっては免除を受けられる可能性もありますので、必ず手続きをしてください。
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