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専業主婦の再就職は不安? 抱え込みがちな劣等感や罪悪感、払拭するには

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「Getty Images」より

 再就職に難しさを感じている専業主婦(主夫)は多い。ソニー生命保険株式会社が発表した「女性の活躍に関する意識調査2019」によると、「子育て後の再就職は厳しいと思うか」という設問に、「非常にそう思う」(31.6%)、「ややそう思う」(37.5%)と7割近くの専業主婦が再就職の厳しさを感じているようだ。

 夫が大黒柱で妻はパートなどで家計を補助するというケースの共働き世帯は多いが、なぜ正規雇用のハードルはそんなにも高いのか。企業側には「子供がいるため残業させられない」「前職との間に数年のブランクがあるため活躍できるか未知数」など、様々な理由から、専業主婦(主夫)の採用に消極的な側面がある。

 しかし離職期間があっても、ひとたび仕事を始めれば生き生きと活躍できる人材は少なくない。多様な人材を活かし、多様な働き方の実現を呼びかける株式会社WarisでWarisワークアゲイン事業統括を務める小崎亜依子氏に、再就職支援について話を伺った。

 Warisではフリーランスとして働きたい女性と、プロ人材を求める企業をマッチングするサービスや、育児や介護などで離職したが再びキャリアを構築したい女性たちの再就職を支援し企業を繋ぐサービスを展開している。

レールを外れた不安感や家事育児への罪悪感を払拭する

 日本的な働き方モデルのレールから外れたことに対し、強い不安感を抱えている専業主婦は多いという。

小崎氏「終身雇用制度が崩壊しつつあるとはいえ、日本では一つの会社で長く働き続けるモデルが未だに王道です。たとえば5年間離職した人が、再び会社に所属して働くことは“異例”とされ、ましてや、そういう人が最前線に立って活躍しているケースは非常にレアです。そのレールから外れたことで、『もう一度あのコースに戻れるのか……』『前職のように活躍することはできるのか……』と不安に感じている人は多いのです。

 離職前の経歴が優秀な人ほど、その不安は大きくなります。過去に自分が働いていたような環境で、結婚や出産でも離職せず働いている友人・知人がいるからです。自分の現状と比較して、『自分も彼らのようにちゃんと働けるのだろうか?』と劣等感を抱いてしまうという話をよく聞きます」

 復職したとして、家庭と仕事のバランスを整えることができるのか、という懸念もあるそうだ。

小崎氏「専業主婦として家事育児を完璧にやってきた自負がある方ほど、『仕事をしながら今までのように家事育児をすることは可能なのか?』『仕事復帰したら家事育児がおろそかになってしまうのでは?』と、二の足を踏みがちな傾向があります。

 そういった女性の再就職を支援するにあたっては、まず『家事育児の完璧主義を改めましょう』『パートナーとも役割分担を見直しては?』といった話し合いをします」

 仕事も家事も育児もすべて全力投球で、なにひとつ問題が生じることなく回せる人などいない。完璧を求めず、トラブルが起きてもその都度解決していくというように、価値観をシフトさせたい。

 なにより、離職後の専業主婦期間は“空白の期間”ではなく高く評価されるべきだと小崎氏は言う。

小崎氏「Warisで専業主婦の方々と接していて、コミュニケーション能力は非常に高いものがあると感じています。実は会社内でのコミュニケーションって、決まった顔ぶれになりますし、序列もあるので、非常に楽なんですね。一方、子供を介して知り合った相手や地域の方々とは関係性が曖昧なので、コミュニケーションの対応力が磨かれます。バックグラウンドや価値観が多様な人たちと触れ合う機会の多かった人ほど、ダイバーシティの受容度も高いですね。

 そしてもうひとつ、世の中には『良い会社に就職して定年まで働く』という王道を外れないことを最優先にしているようなエリート社員もいますが、そうした意識からパワハラやセクハラを黙認したり、余計なしがらみから社内のおかしなルールにも目をつむってしまうことがあります。しかし離職経験のある中途入社社員が、暗黙の了解を無視して『これっておかしくないですか?』と指摘することで、おかしなルールや空気を壊すことができます。こうしたメリットもあることを、経営層に理解してもらいたいですね」

 また、再就職後の定着率もメリットのひとつだという。

小崎氏「定着率に関しては明確に数値として出していませんが、1~2カ月で退職する人は圧倒的に少ないです。専業主婦の期間をネガティブなものと捉えていればいるほど、正社員として就職できたときに『まさか自分が正社員で再就職できるとは思っていなかった』と感動を口にする人は多くいます。就職先を“自分を選んでくれた会社”と捉えるので、非常にロイヤリティが高いです」

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