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覚せい剤逮捕の元経産省キャリア官僚公判で明らかになった異常な残業時間「仕事に行くために覚せい剤を打った」

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「Getty Images」より

 今年4月に覚せい剤取締法違反(密輸、使用)の罪などで逮捕、のちに起訴された経済産業省の元課長補佐、西田哲也被告(28)に対して、東京地裁は9月10日、懲役3年、執行猶予5年(保護観察付き・求刑懲役3年6月)の判決を言い渡した。

 西田被告は今年4月、覚醒剤約20グラムが入っている国際スピード郵便1個を米国から取り寄せ自宅で受け取ろうとしたほか、東京都内の自宅で覚醒剤を使用したという。逮捕直後の経産省への家宅捜索では注射器が押収されており、西田被告が勤務中に覚せい剤を使用していたこともわかっているが、こちらは起訴されていない。

 判決で三浦隆昭裁判長は、西田被告が覚せい剤を入手し使用したことについては「単なる快楽目的とは異なる」として執行猶予判決が相当だとした。「仕事の影響でうつ病を発症し、治療を受けるなかで、強い効き目を求め覚醒剤に手を出した」という西田被告の供述を踏まえての判断となる。

「仕事に行くために覚せい剤を使った」

 8月に開かれた公判で、逮捕前の壮絶な勤務状況が、西田被告や彼の父親から語られていた。

 東京大学を卒業し2013年に経済産業省へ入省したのち、資源エネルギー庁へ配属された西田被告だったが、ここでの業務が彼の社会人人生を狂わせる。

 「残業が多かった。終電で帰れたら早いほう。ときにタクシーで帰宅していた」と、情状証人として出廷した父親は語る。そのうち、うつ病を発症した西田被告に対し父親は「実家に帰ってきてしっかり療養したら、と何回も言いました」というが、西田被告はそれを固辞した。

 逮捕について父親は「兄から電話がかかって知った。ネットニュースに哲也が出てると。そのあとNHKニュースでも観て……。大変驚いて信じられない、夢を見ている感じ」と、寝耳に水だったと語った。

 「いまは薬物依存治療のため、週に5日、クリニックに通っています。体調には異常なく、なかなか笑顔は出ませんが、普通通りに生活できており、眠れないなどはなく、毎朝起きて、クリニックに通っています」

 西田被告はまず薬物依存についての治療を行っており、それを両親が見守り支えていることも明かした。父親の尋問後、西田被告も、うつ病に至った背景、そこから覚せい剤に手を出した経緯を次のように語っている。

 「数年前からうつ病になり、症状が年々悪化し、通勤が困難になりました。しかし、どうしても仕事に行きたい。ひどい抑鬱状態を改善して仕事に行くために覚せい剤を使うようになりました」

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