アジア系「軽視」という差別に挑む〜48年振りの東アジア系大統領候補アンドリュー・ヤン

文=堂本かおる
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知性とユーモアで逆襲

 ヤンは大統領候補として政策を訴えると同時に、アジア系を軽視する米国の空気とも戦わねばならない。米国のアジア系は社会的に外に出たがらない気質があり、アジア系人口が多いハワイ州やカリフォルニア州を除くと政治家は少なく、有権者は「アジア系大統領」の存在をイメージすらできずにいる。そもそもアジア系は二世や三世であっても一世と同じ「移民」と十把一絡げにされてしまう。有り体に言えば「アジア系大統領? あはは! あり得ない!」なのだ。

 ヤンはまず、ヤン自身の存在を全米に知らしめ、かつアジア系も有権者と同じアメリカ人であること、さらに大統領にふさわしい優れた人物であることを浸透させなければならない。これは口で言うほどに簡単なことではない。人々の無意識下に染み込んだ先入観を払拭せねばならないのだ。

 幸いヤンには持って生まれたユーモアのセンスがある。ヤンは人々に親近感を与えるために、巧みにユーモアを交えた戦略を採っている。

アジア系「軽視」という差別に挑む〜48年振りの東アジア系大統領候補アンドリュー・ヤンの画像3

第3回ディベート出場記念の缶バッジ

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17歳、いかにもティーンエイジャーな写真を使ったTシャツ

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子供の時期の”勉強のできそうな”写真と、9月の新学期に合わせたヤン公式文房具

 そして、ヤンは家族を何よりも大切にする、オール・アメリカン・ガイ(典型的良きアメリカ人)でもあるのである。

※アンドリュー・ヤンの妻エヴェリンと2人の子供。1人は自閉症であることを公表している。

(堂本かおる)

追記:現在、共和党からも3人の立候補者が打倒トランプを訴え、出馬している。だが、サウスカロライナ州など4州が予備選を行わない、つまり自動的にトランプを勝者とすることをすでに決定している。理由は「トランプの勝利が明確にも関わらず、多額の税金を予備選に使えない」というものだが、明らかに民主主義の精神に反している。

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