
「GettyImages」より
トンデモ沼にハマった体験を語っていただく「私がトンデモだった頃」シリーズ、第3弾。今回は当連載ではめずらしく、自然派沼にハマっていたという男性の体験談です。
語ってくれたのは、家業が歴史ある漬物店という30代男性イノツーケさん(@inotukeuraban)。沼から出てきた現在は、無法地帯となりつつある民間発酵界隈につっこみを入れまくっており、その数々の指摘が謎物件ウォッチャーを自称する私のツボにヒット。そんな経緯から、お話を聞かせていただくことになりました。トンデモ化した民間発酵界隈についても詳しくご紹介していきたいところですがそれは次回にまわし、まずはイノツーケさんの沼体験から話をうかがっていきましょう。
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本格的な自然派沼入り
イノツーケさんが自然派界隈に沼入りしたのは、20代後半。もともと自然系の不思議な話や健康情報が大好きで、沼入りする素地があったと語ります。
イノツーケさん(以下イノツーケ):私は子どものころから比較的健康オタクであったうえ、中二病をこじらせていたので、もとからトンデモにハマる要素をたくさん持っていたんでしょう。高校時代には「植物と話せる人」とか、そういう類の本を読んでました。精神的に病んだこともたびたびあり、学生時代から「人と関わるより自然と関わってる方が楽だ」というようなところがありました。そんな時代を経て、20代後半になりいざ社会に出るんですが、あらためて社会の闇や汚いところ……みたいな部分に直面します。そこでボロボロになり、スピ教祖にハマりましてね。本格的な、沼入りです。スピ教祖の幹部みたいなこともしていました。その教祖が実践していたものは片っぱしから取り入れ、意識高い生活を送っていました。エドガー・ケイシー※1だとか、西式甲田菜食※2とか。
お話を聞くと小食・菜食・無添加・湯シャン※3・乳製品とらないetc.を実践していたというので、自然派の部類でも、かなりハードな部類かとお見受けします。
※1ニューエイジ思想に大きな影響を与えた、20世紀前半の預言者。独自の健康法を提唱し、日本では「ひまし油」を用いたデトックス法が有名
※2断食や生菜食、少食によって血液循環が早まり、すべての病が改善すると謳う療法
※3シャンプー類を使わず、お湯だけでシャンプーをすること