ユニークなミニ保険
それでは、ミニ保険にはどのようなものがあるか、特にユニークな商品を取り上げてみたい。
●弁護士保険
痴漢の冤罪やセクハラ・パワハラ問題、ネット炎上の問題、子どものいたずらによるトラブルなど、日常に潜むトラブルが生じたときに弁護士に相談する費用を補償してくれる保険が弁護士保険だ。
痴漢被害を訴える声や痴漢撲滅に向けた声が盛り上がると、必ずと言っていいほど「でも冤罪が怖い」という声がさらに大きくなり、議論はひたすらすれ違う。痴漢をしない、かつ被害者にもなりにくい多くの男性にとって「痴漢冤罪」がそれほど脅威だということは事実なのだろう。
駅員室に連れて行かれた後、警察に引き渡されると身柄が拘束されたりするだけでなく、冤罪であるにもかかわらず刑事裁判となり悪くすれば前科がつく……というイメージが今でも非常に強いようだ。そのようなとき、駅員室に連れて行かれる前に弁護士に相談できるとなれば心強く、無闇に逃亡することもない。
弁護士保険の月当たりの保険料は数百円から数千円と安い。有名なところではジャパン少額短期保険の「痴漢冤罪ヘルプコール付き 男を守る弁護士保険・女を守る弁護士保険」やプリベント少額短期保険の「mikata/ミカタ」、エール少額短期保険の「弁護士保険コモンLite」などがある。
●孤独死保険
孤独死保険といっても、これは亡くなった人のための保険ではなく、賃貸住宅のオーナーのための保険だ。高齢化が進んでいる現代、自分が所有する賃貸物件に暮らす一人暮らしの高齢者が亡くなる可能性が高まっている。
亡くなってからの発見が遅れれば、部屋の清掃費や場合によってはリフォームの費用が発生する。もし、亡くなった方に身寄りがなければ、葬儀代を負担しなければならない場合もある。また、清掃後も長期間借り手がつかずに家賃収入が途絶える可能性も高い。
しかも孤独死は高齢者だけではない。若い人でも一人暮らしで自殺を図ったり、病気で急死してしまったりすることもある。
このような賃貸住宅のオーナーが負っているリスクに対応するのが孤独死保険だ。孤独死保険には、アイアル少額短期保険の「無縁社会のお守り」やエイ・ワン少額短期保険の「あんしん住まいるオーナー保険」などがある。なお、孤独死保険についてはウェジーでも取り上げたことがある。
高齢化社会に欠かせなくなる「孤独死保険」、なぜ必須なのか
近年、一人暮らしの高齢者が増えている。その結果、誰にも看取られることなく人知れず一人で死んでいく孤独死も増えている。 孤独死を迎える人は、必ずしも…
●自転車保険
自転車は危険な乗り物だという認識を持つべきだ。車道も歩道も自在に走ることができるにもかかわらず免許制ではないため、交通ルールを知らないまま公道を走ることになるからだ。
また、気軽に利用することができるとはいえ、歩行者を傷つけたり、最悪の場合死亡させたりする事故も実際に起きている。
そこで月額200円台からという少額で自転車走行中の事故に備えることができる自転車保険が登場している。自転車保険には、ジャパン少額短期保険の「ちゃりぽ」などがある。
●キャンセル保険
コンサートのチケットを手に入れたのに、急な体調不良や天候の悪化、交通機関の運休などでキャンセルを余儀なくされたとき、あるいは旅行の予定を組んでいたにもかかわらず、同様の理由でキャンセルせざるを得なくなったときに、チケット代やパッケージツアーのキャンセル料を補償してくれる保険がある。
AWPチケットガード少額短期保険の「チケットガード」や「トリップキャンセル」などがある。
●その他
登山などで遭難したとき、警察や消防が行う捜索・救助活動は別にして、民間のヘリ会社が出動したり、山岳遭難対策協議会などによる捜索・救助が行われたりすると高額な費用が請求される。これを補償するのが日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」などである。
また、スマートフォンやタブレットの盗難や故障を保障するミニ保険に、さくら少額短期保険の「モバイル保険」やjustInCaseの「スマホ保険」などがある。
日常の不安をミニ保険でカバーする
ミニ保険は絞り込んだリスクを対象とすることで安く加入できる保険だ。そのため、すでに加入している保険があれば、その補助的な使い方を検討するのも良いだろう。また、高齢になると入りにくい保険もある。そのようなときは80歳代でも入れるようなシニア保険と呼ばれる商品もある。
高額な保険料を長期間支払いたくないが、日常的にリスクを感じて不安であれば、ミニ保険の利用も検討されてはいかがだろうか。
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