社会

就活は黒髪ポニテじゃなくてもいい? 自由な髪型でも「落とされない」のか

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「パンテーン」公式サイトより

 就職活動で一様に没個性化する日本の学生。女性は黒髪一つ結びに清潔感のある化粧、ダークスーツに黒いヒール靴と黒くて重いバッグ。その格好ではテンションが上がりようもないが、悪目立ちして採用を逃したくないので、没個性化せざるを得ない。

 そんな日本の就活スタイルを、P&Gのヘアケアブランド「パンテーン」が変えようとしている。パンテーンは女性がより自分らしいヘアスタイルでいることを推奨するキャンペーン「#HairWeGo さあ、この髪でいこう。」を昨年9月から実施しているが、先ごろその第4弾「#令和の就活ヘアをもっと自由に」が公開された。

 10月1日に内定式を行う企業は多いが、内定式を控える学生に向け、自由でいいのだというメッセージを送っている。

<令和元年10月1日。内定式に、自分らしい髪で来てください。>

パンテーンが昨年発信した「ひっつめ髪をほどいた就職活動が、この国の当たり前になりますように。」というメッセージに対して、複数の企業から同意の声が上がった。内定式に向け、「もっと自由な就職活動」「内定者が自分らしい髪で内定式に出席すること」に賛同する企業を募ったところ、139社の企業が賛同表明をしたという。

<まずは、令和元年の内定式。
自分らしい髪で出席する皆さんを、
パンテーンと139社の賛同企業は待っています。> 

 日本の就活スタイルは、変わりつつあるのだろうか。パンテーンの広報担当者に話を伺った。

就活生の個性を尊重したい

――「#令和の就活ヘアをもっと自由に」プロジェクトの反響はいかがでしょうか。

P&G広報:定量的にはまだ計っていないのですが、SNS投稿を中心に様々なお声をいただいております。「画一的な就活ヘアは違和感があった!」といったリアルなコメントが寄せられた一方、「就職活動では、企業に受かることが第一目的なので多少我慢しても仕方ないと考えている」という学生の葛藤も見受けられます。

――賛同表明された139社は、就職活動についてどういった考えをお持ちでしたか?

P&G広報:まず賛同企業の募集は7月上旬より、就活サイト”one carreer”さんが実施している、みんなで作る就活クチコミアワードの上位100社に対して、こちらからお声がけさせていただきました。7月半ばからは、よりオープンにどの企業様も賛同に応募できる形にしました。どの企業様も新卒採用に積極的で、学生の個性をしっかりと尊重した採用をしたいという熱い想いを持っている印象です。

――プロジェクトタイトル「#令和の就活ヘアをもっと自由に」からは、内定式のみならず就職活動の段階で「自分らしい髪」を受け入れる社会になってほしいというメッセージを感じました。しかし今回のキャンペーンのメッセージや動画には、<内定式に、自分らしい髪で来てください。>など、内定式に焦点を当てています。今回、敢えて「内定式」に焦点を当てた広告や動画を発表されたのは、どういった理由からでしょうか。

P&G広報:パンテーンは、「あなたらしい髪の美しさを通して、すべての人の前向きな一歩をサポートする」というブランドフィロソフィーをもとに、就活生ひとり一人が“個性が尊重された就職活動”ができることを願い、本プロジェクトを展開しています。今回、あえて内定式に焦点を当てたのは、内定式という就職活動に関する一つのモーメントが直近(10月1日)にあるからです。

――実際に、P&Gの採用試験を受ける学生には、髪型をはじめ、服装、メイクなどすべて“自由”でよいと伝えているのでしょうか。

P&G広報:基本的には自由な服装でとお伝えしていますし、実際にいらっしゃる学生さんも自由な髪や服装で面接をうけてらっしゃいます。採用に関してだけでなく、会社としてダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進していますので、社員ひとりひとりの個性を尊重しています。

―――

 いくら個性を尊重する、と言われても、「リクルートスーツにパンプスに黒色のひっつめ髪」という定番スタイルを崩して悪印象を持たれるのが怖い、浮いてしまうのではないか、と不安に思う学生はまだ多いかもしれない。なにしろ新卒の就活ができるのはその一年間だけだ。失敗したくない気持ちは当然である。

 もちろん、気合ゼロのだらしない格好で行けばどんな相手にだって良い印象を与えないだろう。しかし自分らしいスタイルと、だらしないスタイルは全然違う。ボサボサで不潔な印象を与える髪はNGでも、きっちりキメた髪型はかえって好印象を持たれることもあるかもしれない。学生側にはそのあたりの判断力も問われる。

 自分らしく、かつ礼儀を失わず誠実な姿勢を相手に示せるスタイルを模索することで、自分自身の強みを再構築することも出来るかもしれない。画一的な型にハマらない「自分らしさ」とは何か、学生自身が見つめなおす良いきっかけにもなるだろう。

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