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幼保無償化で給食費はどうなる? 許可外施設は対象?

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「Getty Images」より

 10月1日よりスタートした幼児教育・保育の無償化(以下、幼保無償化)。どんな制度なのか、改めて具体的に見ていきましょう。

 幼保無償化の対象となるのは、保育園・幼稚園・認定こども園などに通う「3~5歳児クラスの子どもたち」と、保育園などに通う「住民税非課税世帯で0~2歳児クラスの子どもたち」です。

対象になる子どもの年齢は?

 まず、幼保無償化についてのニュースでは「3~5歳児は無償」などという表現も見受けられましたが、正確には「3~5歳児クラス」です。いわゆる「学年」のことで、「年少・年中・年長」とも呼ばれています。

 3歳児クラス(年少)にはその年の4月1日時点で満3歳の子どもたち、4歳児クラス(年中)にはその年の4月1日時点で満4歳の子どもたち、5歳児クラス(年長)にはその年の4月1日時点で満5歳の子どもたちが在籍します。

 誕生日が来て満6歳を迎えた子どもも、無償化に該当する施設を利用していれば、小学校入学前、つまり5歳児クラスに在籍する翌年3月までは無償化の対象です。

 今年10月~来年3月までだと、2013/4/2~2016/4/1に生まれた子が3~5歳児の無償化の対象となります。

3~5歳児クラスの場合

無償化の対象になる施設は?

 3~5歳児クラスに在籍していればどこの施設を利用しても無償になる、というわけではありません。3~5歳児クラスの年齢に当たる子どもたちのうち、無償化の対象となるのは、以下の施設です。

・認可保育園
・地域型保育(小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育)
・標準的な利用料の企業主導型保育
・認定こども園
・無償化の対象となる幼稚園

 無償化の対象ではない幼稚園(私立幼稚園など)に通う子どもたちは、月額2.57万円までは無償となります。

 幼稚園で行われている「預かり保育」も、無償化の対象となる幼稚園に通い、かつ親が共働きなどで「保育の必要性の認定」を受けている子どもは、月額1万1300円までは無償です。ただし、「預かり保育」の無償化は、幼稚園側が自治体に申請していることが前提となっています。

発達支援の施設の場合は?

 小学校にあがる前の障害児の発達支援として、以下の施設を利用する子どもたちも、満3歳になってから小学校入学までの3年間は、無償となります。

・児童発達支援
・医療型児童発達支援
・居宅訪問型児童発達支援
・保育所等訪問支援
・福祉型障害児入所施設
・医療型障害児入所施設

 幼稚園や無償化対象の保育園と併用する場合は、両方とも無償です。

認可外保育施設の場合は?

 一方、認可外保育施設等(地方自治体独自の認証保育施設、ベビーシッター、認可外の事業所内保育等)や、一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業を利用している子どもはどうでしょうか。

 居住地の自治体から「保育の必要性の認定」を受けていれば、利用料月額3.7万円までは無償になります。なお、認可外保育施設でも、都道府県に届出し国が定める基準を満たす施設のみが無償の対象となっています。ただし、基準を満たしていない場合でも5年間の猶予期間中は無償化の対象となります。

 ただ認可外では同じ園に子どもが通っていても無償化の対象になる家庭とそうでない家庭があり、具体的には介護や病気、通学などの事情を持たない専業主婦家庭は対象外となるため、保護者間で「不公平ではないか」「働きたくても働けないだけなのに」との声もありました。

給食費は基本的に保護者が払う

 10月1日以降も今までと同様に、保育所等を利用する最年長の子どもを第1子とカウントし、0~2歳までの第2子は半額、第3子以降は無料。ただし、年収360万円未満相当世帯の場合は、第1子の年齢を問われません。

 また、幼保無償化が始まっても、給食費等は無償にはなりません。ただし、年収360万円未満相当世帯の子どもたち、全ての世帯の第3子以降の子どもたちについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。また、給食費を市町村が負担する地域もあります。

住民税非課税世帯の0~2歳児クラスの場合

 住民税非課税世帯で、その年の4月1日時点で0歳から2歳までの子どもたちのうち、無償化の対象となるのは以下の施設などです。

・認可保育園
・地域型保育(小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育)
・標準的な利用料の企業主導型保育
・認定こども園

 認可外保育施設等(地方自治体独自の認証保育施設、ベビーシッター、認可外の事業所内保育等)や、一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業を利用している子どもは、居住地の自治体から「保育の必要性の認定」を受けていれば、月額4.2万円までの利用料が無償になります。

 3~5歳児クラスの子どもたち同様、認可外保育施設のうち、都道府県に届出し国が定める基準を満たす施設のみが対象です。

幼保無償化の問題点とは?

 幼保無償化は子育て世代に優しい政策に見えますが、問題もあります。

待機児童問題は解決していない

 ひとくちに幼保無償化といっても、利用する施設の種類によっては対象から外れる子どももいます。またそもそも、待機児童は無償化の対象にもなりようがないのです。

 保育士の不足が原因で待機児童がでるわけですが、幼保無償化になれば、保育所の需要が膨れ上がるという懸念もあります。

 保育士の人数を確保するために、国は給与や勤務環境の改善を謳った「保育士確保集中取組キャンペーン」を2019年末まで実施していますが、今年7月時点で、2017年末に掲げた6.9万人確保には届いていません。

幼保無償化は高所得者ほど得する仕組み

 認可保育園などは既に世帯の所得に応じた保育料になっており、低所得所ほど安く、高所得所ほど高くになっています。そのため、無償化は高所得者に利益が生じやすい仕組みであり、低所得者との格差が拡大するとの指摘もあります。

 また、幼稚園・保育園のあいだは実際それほどお金がかかりません。一方で小学校に入学してから大学までの教育費は、かけようと思えば天井知らず。我が子により良質な教育を受けさせたいと考える親ほど、「今の稼ぎでは難しい」とためらってしまいます。

 保育にお金がかからないなら、たくさん子どもを産んで育てよう……国民の間でそんな機運が盛り上がることを期待しての幼保無償化。もっともっと子育てしやすい社会になるために、改善すべき課題はたくさんありますが、少しずつでも前進してはいます。今後は保育士、教諭ら保育にかかわる労働者にとってもメリットのある政策に期待しています。

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