判子は日本の伝統工芸
竹本氏がIT担当大臣に就任したことについても、「不適任であることは否めない」と手厳しい。
沢渡氏「海外ではデジタルネイティブな若手がトップを務めることはよくある話で、今回の内閣改造ではテクノロジーに敏感かつ未来を背負う若い人材に担わせてほしかったのが本音です」
また、竹本氏の発言をめぐるネット上のざわつきに対しては、「たとえば1,000万円、1億円単位の大規模な契約や、5年10年などの長きにわたる保守契約などと、日常レベルの事務作業がごっちゃになっていないか」と危惧する。
沢渡氏「請求や支払い、役所の手続きなど日常レベルの事務作業ではデジタル化することが現実的であり急務ですね。ただ、電子的に処理するにしても、大げさな契約などはそれなりに手間がかかるので、紙や判子を使わざるを得ないケースもあります。ですので、『判子は悪』『ペーパーレス化は必須』と盲目的に主張することは少し違うと思います」
判子は実用品だが、伝統工芸品でもある。沢渡氏は「判子は雅なものである。にも関わらず、スピード重視のビジネスの世界に残り続けるからおかしなことになる。判子は、外国人観光客向けのお土産や伝統工芸など雅な領域で“日本の文化品”として存分に活躍してほしい」と望んでいる。
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