Twitter「RTしたら10万円のチャンス!」って? 詐欺や個人情報抜き取りの可能性あり

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「Getty Images」より

 年初にアパレル通販大手「ZOZO」の前社長・前澤友作氏が、自身のアカウントをフォローし、該当のツイートをリツイートすれば抽選で100人に100万円をプレゼントするという大胆な企画を実行し、旋風を巻き起こした。この企画が誘い水になったのか、SNS上ではここ最近、「このツイートをリツイートした人に○○万円のチャンス!」といった投稿を頻繁に見かけるようになっている。

 前澤氏のような有名人がやっているケースもあるが、中にはどう考えても胡散臭い、犯罪の臭いが漂う投稿も少なくない。筆者はまだこういった投稿による犯罪被害は耳にしていないが、軽い気持ちで企画に参加してしまい、何かしらの被害に遭う人が出てこないとも限らないのではないかと危惧している。

 SNSを巧みに使った犯罪被害に遭わないためにも、こういった投稿がどういった目的で行われるのかを知っておく必要があるだろう。インターネット犯罪などに精通しているITジャーナリスト・篠原修司氏に話を伺った。

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篠原修司
1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライター・ITジャーナリストとして活動。専門はネット上の炎上事件やデマの検証、スマートフォン(iPhone)。Yahoo!ニュース個人やascii.jpなどで連載中。

個人情報を抜き取るアプリを勝手にインストールされる

 「このツイートをリツイートした人に○○万円のチャンス!」。このようなツイートをリツイートするだけなら、直接的なリスクはないという。しかし、詐欺サイトやウイルス感染サイトに誘導される可能性がある。

篠原氏「この場合の詐欺サイトというのは、商品を紹介しているサイトに誘導し、購入を促すようなものが挙げられます。また、『新作iPhoneをプレゼント!欲しい人はこのサイトをクリックしよう』といったタイプの投稿もありますが、その投稿内に貼ってあるリンクに飛ぶと、『iPhoneを手に入れるためには、まずはこの2万円の商品を買いましょう』といったことが書かれてあったりしますね」

 リスクはそれだけではない。

篠原氏「リンクをクリックしてしまったことで、とくにAndroidスマホなどでは口座番号や住所などの個人情報を抜き取るアプリを知らず知らずのうちにインストールさせられてしまうケースもあります。業者がそのようにして獲得した個人情報を第三者に売ったり、それを利用して詐欺を行ったり、家にいない時間帯を把握して空き巣に入ったり……といった犯罪行為につながる可能性は十分考えられるので、注意が必要です」

 しかし、ユーザーが気づかないうちにアプリをインストールしてしまうことなどあり得るのだろうか。

篠原氏「最近のそういったアプリは非常に巧妙なので、画面にもアプリのアイコンが表示されないように改良されているものもあって、気付きにくいものも少なくないのです」

 まさか自分がターゲットにされるなんて……と思うなかれ。誰でも無差別に被害に遭う可能性があることを念頭に置いておきたい。

「パパ活したら○○万円」は風俗勧誘の可能性も

 Twitterのタイムラインに、札束の画像を添えて「パパ活したら○○万円もらった」という投稿が流れるのを見たことはないだろうか。こういった投稿に関わることも、犯罪につながる恐れがあるという。

篠原氏「たとえば、この投稿を見た女性が興味を持ち、『私もパパ活したいです』というメッセージを送ります。『何人か男性を紹介するので、まずは今度直接お話ししましょう』と“パパ”を紹介する趣旨の返信が届き、待ち合わせ場所に行ったら風俗の勧誘だったというケースがあります」

 SNSを使った風俗店の勧誘は、職業安定法違反に触れる可能性がある。ただ、このツイート自体に危険性はないので、自ら連絡をしなければ問題はないと考えられる。 

 こういった投稿が怪しいことは一見して明らかだが、判断力の乏しい子どもなどは、ひときわ注意が必要だ。

篠原氏「裸の写真を要求されて送ってしまったり、SNSの投稿から住んでいる場所や学校、会社を把握されてストーカー被害にあったり、場合によっては襲われたりします。中には『仲良くなったから今度遊ぼう』と誘い出し、性加害に及ぶ輩もおり、事件化しています」

匿名アカウントを信用しない

 健全な投稿かどうかを見極めるポイントは、「情報の発信者が信用できるかどうか」だ。

篠原氏「投稿者が匿名であり、具体的な活動実績がわからない場合はすべて信用しないでください。フォローした後に、名前やアイコンを変更して別人になり、詐欺サイトへ誘導してくる恐れもあります」

 著名な人物のアカウント、有名な企業のアカウントであれば信用して良いのだろうか。

篠原氏「基本的には良いですが、そのアカウントが本物かどうかを確かめなければいけません。確かめる方法はたとえば、その人物や企業の公式サイトからSNSのアカウントにリンクが貼ってあるかどうか。ただし、アカウントが乗っ取られている場合もあるため、『リンクをクリックして~』といった誘導がある場合は注意したほうが良いでしょう」

 とはいえ、ITリテラシーは一朝一夕に身につくものでもない。

篠原氏「一番良いのは『フォロー&リツイートでプレゼント』というツイートを誰がしていても信用せず、参加しないことです」

 SNSには正規の懸賞なども多数あるが、情報の見極めに自信がなければ、関わらないことが最善だ。

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