テレワーク導入のために脳波収集は必須?
東急不動産が従業員の脳波測定を導入したことを皮切りに、日本でも様々な企業が脳波からの情報収集に興味を示すかもしれない。目的は東急不動産のように従業員の働きやすさを向上させるため、という名目に限らないだろう。たとえば従業員の“監視”という使い方も想定される。
働き方改革を進めるにあたり、テレワークの導入を検討している企業は多いが、なかなか普及していないのが現状だ。エン・ジャパン株式会社の調査によると、テレワーク導入にネガティブな理由として「従業員のサボりも気になる」という声もあるという。テレワークの際に脳波を測定し、サボっていないか監視する……というディストピアも全くありえない話しではない。
サボるも何も、就業時間めいっぱい一心不乱に業務をこなすことが正しい会社員のありかただと言うなら、その考え自体がおかしく、従業員を監視することは奴隷扱いしているのと同義だ。柔軟な働き方を進めるために、より従業員を厳しく管理するシステムを導入するとしたら、本末転倒だ。
そもそも、従業員のストレスを軽減し集中を高め、快適に働き、興味やわくわくする心を維持させたいのなら、いちいち脳波を測定しなくても会社組織がやれることは他に多くあるだろう。
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