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「福島の子供は公園で遊べない」NHK『あさイチ』での失言、今なお続く風評被害

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「Getty Images」より

 4日生放送の情報番組『あさイチ』(NHK総合)出演者の発言が物議を醸している。

 この日、プレミアムトークに人気スタイリストの大草直子さんが登場。大草さんは、「自分が愛した洋服を捨てずに、次の人に貰ってもらうのが私の中ではエコなこと」という持論のもと、フリーマーケットを開催していることを語った。その売り上げは経費を除き全額を寄付に充てているとし、その理由を「福島の子供達が公園で遊べなくなってしまっていて、土壌が汚染されているので」と説明した。

 だが、上記の発言は番組内で誤りを指摘されることになる。番組エンディングの視聴者からの投書を紹介するコーナーで、福島県民の視聴者からのメールが読み上げられた。その内容は「公園で遊べない子供のためのご支援、ありがとうございます」としつつも、「ただ、遊べない公園はごく一部です。発言からは福島の全ての公園が、と受け取れるようにも聞こえたのでメールしました。ご支援ありがとうございます」という指摘だった。

 アナウンサーは「もちろん、すべての公園で遊べないわけではないですよね」と咄嗟に断りを入れ、大草さんにフリーマーケットの趣旨の説明を求めた。大草さんは、「福島に新しい公園を作ろうというプロジェクト」と述べた上で、「子どもたちのために、たくさん遊んでもらおうという」と改めて説明した。

 この一連の流れがネットで物議を醸した。Twitterでは視聴者による「福島の子は公園で遊べないって現在形で断言していいの?」「無責任な言い方をするのは止めてほしい」「その言い方だと本当に誤解を生みます、大草さん」といった批判の声が多く投稿されている。なかには、番組サイドに謝罪や訂正を求める意見も見られ、炎上中だ。

 お笑い芸人カンニングの竹山隆範は4日夕方にTwitterで<ガチャガチャなっていますが福島県の公園は子供達普通に遊べますよ。 勿論遊びたければ大人も遊べます。 皆様誤解なきようよろしくです>とツイート。竹山の発言を支持するリプライが増えている。

 大草さんに福島やその地に暮らす人々を貶めるような悪意はなかったであろうが、少なからぬ視聴者が困惑し、不快感を抱いた。その理由は、カンニングの竹山が<誤解なきよう>と注意を促したように、原発事故にまつわる被災地への偏見がいまだに根強く存在しているからだろう。

メディアを介して広まる誤情報

 2011年に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、福島は土地や食べ物の安全性を過度に不安視されてきた。安全検査を経ているにもかかわらず、風評被害は震災から8年以上が経った今もなお残っている。

 その責任の一端は、マスメディアや社会的に影響力のある人々による誤った発言があるだろう。事故直後から、原発事故のイメージに基づいた被災地への誤解、偏見を含む情報が飛び交った。

 群馬大学の早川由紀夫氏は2011年7月、Twitterで<福島県中通りでコメをつくっている農家を、「サリンを製造したオウム信者と同じ」だと書いたら、猛烈な反発があった。まったく同じだと思う>などとツイートし、炎上。しかしその後も福島の米や農家にまつわる持論を述べ続けた。

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